はじめに

このページでは酸化還元反応の一種である自己酸化還元反応について解説していく。やや特殊な反応ではあるが、入試でもよく出る大切な反応なのでぜひこの機会に理解しておこう。


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自己酸化還元反応

塩素Cl2を水に通じると次のような反応が起こる。

\[
\underbrace{ Cl_{2} }_{ 0 }+H_{2}O→H\underbrace{ Cl }_{ -1 }+H\underbrace{ Cl }_{ +1 }O
\]

Cl2を構成する2つのClのうち、片方は塩化水素HClに、片方は次亜塩素酸HClOになっているね。
このとき、各物質中のClの酸化数を比較すると、Cl2を構成するClの酸化数は0なのに対し、HClに含まれるClの酸化数は-1、HClOに含まれるClの酸化数は+1である。

Cl2:0
HCl:-1
HClO:+1

もともと2つのClの酸化数は共に0だったが、片方は減って-1、片方は増えて+1になっていることからCl2は酸化剤・還元剤両方の役割を果たしていることがわかる。このように、同一物質が酸化剤としても還元剤としても働く反応を自己酸化還元反応という。

自己酸化還元反応の具体例

入試で頻出の自己酸化還元反応をいくつか紹介しておこう。

塩素を水酸化カルシウム水溶液に通じる

\[
Cl_{2}+Ca(OH)_{2}→CaCl(ClO)・H_{2}O
\]

この反応はさらし粉の製法の一種。詳しくは【保存板】気体の発生方法・反応式まとめ!を参照。

塩素酸カリウムに酸化マンガン(Ⅳ)を加えて加熱する

\[
2KClO_{3}\overset{加熱}{→}2KCl+3O_{2}
\]

※加熱+触媒(酸化マンガンMnO2

この反応は酸素の製法の一種。詳しくは【保存板】気体の発生方法・反応式まとめ!を参照。

過酸化水素水に酸化マンガン(Ⅳ)を加える

\[
2H_{2}O_{2}→2H_{2}O+O_{2}
\]

※触媒(酸化マンガンMnO2

この反応は酸素の製法の一種。詳しくは【保存板】気体の発生方法・反応式まとめ!を参照。

亜硝酸アンモニウム水溶液を加熱する

\[
NH_{4}NO_{2}\overset{加熱}{→}2H_{2}O+N_{2}
\]

※加熱

この反応は窒素の製法の一種。詳しくは【保存板】気体の発生方法・反応式まとめ!を参照。

ハロゲン化銀に光を当てる

\[
2AgX\overset{光}{→}2Ag+X_{2}
\]

※光照射

ハロゲン化銀には感光性があり、光を照射することで分解する。
この反応は写真フィルムや印画紙、X線フィルムなどに利用されている。

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