【プロ講師解説】化学反応式(係数・作り方・書き方・計算問題の解き方など)で化学反応式の基本的な係数決定法を説明したが、複雑な化学反応式の係数を決定する場合、その方法では時間がかかり過ぎることがある。そこで、このページでは『未定係数法(化学反応式の係数を決定する“裏技”的方法)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
未定係数法のやり方
ここでは、以下の化学反応式を使って未定係数法のやり方について説明していこう。


未定係数法は次の4STEPを使って行う。
STEP1 | それぞれの係数をアルファベットで書く |
STEP2 | 左右で各原子の数が等しくなることを利用し、方程式を立てる |
STEP3 | 1つの物質の係数を1と決め、代入する |
STEP4 | 方程式を解き、係数を求める |
Point!
STEP1
それぞれの係数をアルファベットで書く。
まず、反応式に出てくる物質の係数をすべてアルファベットで書く。


STEP2
左右で各原子の数が等しくなることを利用し、方程式を立てる。
化学反応式の基本ルールである「反応の前後で、原子の数は変わらない」を使って、係数がアルファベットのまま各原子の数を比べると、方程式ができる。
まず炭素について。


炭素原子は左側にa×6コ、右側にc×1コある。反応の前後で原子の数は変わらないため、
\[
6a=c・・・①
\]
6a=c・・・①
\]
同様に、酸素について、
\[
6a+2b=2c+d・・・②
\]
6a+2b=2c+d・・・②
\]
水素について、
\[
12a=2d・・・③
\]
12a=2d・・・③
\]
が成り立つ。
STEP3
1つの物質の係数を1と決め、代入する
複数のアルファベットのうち、好きなアルファベットを「1」とおく。
今回はaを1とおくと…
\[
①6=c\\
②6+2b=2c+d\\
③12=2d
\]
①6=c\\
②6+2b=2c+d\\
③12=2d
\]
STEP4
方程式を解き、係数を求める。
STEP3で得た方程式を解くと、
\[
b=6\\
c=6\\
d=6
\]
b=6\\
c=6\\
d=6
\]
となる。
これらを当てはめて完成。


ちなみにアルファベットが分数で出てしまったら、分母が消えるようにすべての係数に同じ数をかけよう!
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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