はじめに

このページでは、発熱反応や吸熱反応、熱化学方程式とそれが絡んだ計算問題の解き方などを1つ1つ丁寧に解説していく。入試でも頻出な部分なので必ず理解しておくようにしよう。


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ヘスの法則

ヘスの法則

化学変化に伴う反応熱は、反応前後の状態で決まり、反応経路によって変化しない
Point!

反応熱は一般に測定によって求められるが、反応によっては測定が困難な場合がある。そのような場合、これから紹介するヘスの法則を利用して反応熱を計算で求める。

化学変化に伴う反応熱は、反応前後の状態で決まり、反応経路によって変化しない

これがヘスの法則である。

反応熱は、最初と最後の状態だけで決まるということだね。

例えば、A=B+QkJという熱化学方程式の反応熱Qは、Cという途中の経路を考慮すると、次のようにAからC、CからBに変化するときに出入りする熱量Q1、Q2を用いて次のように表すことができる

エネルギー図・ヘスの法則を使った計算問題の解き方

STEP1 求める反応熱をQkJとし、それを含む熱化学方程式を書く
STEP2 STEP1で作った式を元に、エネルギー図を書く。また、問題で他に熱化学方程式が与えられている場合はその情報も書き込む
STEP3 図に書き込んだ分子(化合物)を「バラバラ」の状態にし、エネルギー図の上の位置に書く
STEP4 それぞれの結合を切るために必要なエネルギーを書き込む
STEP5 ヘスの法則を利用して方程式を作成し、それを解く
Point!

例題を用いて説明しよう。

問題

塩化水素HClの生成熱を求めよ。ただし、HーH、ClーCl、HーClの結合エネルギーをそれぞれ432kJ/mol、239kJ/mol、428kJ/molとする。

STEP1

求めたい熱量を含む熱化学方程式を書く。
\[
\frac{ 1 }{ 2 }H_{2}(気)+\frac{ 1 }{ 2 }Cl_{2}(気)=HCl(気)+QkJ
\]

「HClの生成熱」なので、求めたい係数を1として、他の分子の係数はそれに合わせる。
また、求めたい熱量はQkJとしておこう。

STEP2

STEP1で作成した式をもとにエネルギー図を書く。又、問題で他に熱化学方程式が与えられている時はそれも書き込む。

H2とCl2という2つの物質がまとまってHClという1つの物質になるわけなので、より「バラバラ」であるH2とCl2の方がエネルギーが高い。従って、より高い位置に書く。

STEP3

図に書き込んだ分子(化合物)を「バラバラ」の状態にし、エネルギー図の上の位置に書く。

H2とCl2が、それぞれH原子とCl原子になった場合を考える。

STEP4

それぞれの結合を切るために必要なエネルギーを書きこむ。

問題文に書いてあったHーH、ClーCl、HーCl結合の結合エネルギーを図中に書き込もう。

係数がついていた場合は、それをかけるのを忘れずにね。

STEP5

ヘスの法則を利用し、方程式を作成。それを解く。

ヘスの法則

反応経路が違っても、出入りする熱の量は変わらない

Point!

ヘスの法則により、反応経路が違っても出入りする総熱量は変化しない。

従って、次の式が成り立つ。

Q=92.5となり、これが求める反応熱である。


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問題演習

問題

ヨウ化水素HIの生成熱を求めよ。ただし、HーH、IーI、HーIの結合エネルギーをそれぞれ430kJ、150kJ、295kJとする。

STEP1

まずは、求めたい熱量を含む熱化学方程式を書く。

\[
\frac{ 1 }{ 2 }H_{2}(気)+\frac{ 1 }{ 2 }I_{2}(気)=HI(気)+QkJ
\]

今回は、ヨウ素の生成反応を表す式を書けばいいね。

STEP2

STEP1で作成した式をもとにエネルギー図を書く。又、問題で他に熱化学方程式が与えられている時はそれも書き込む。

より「バラバラ」であるH2とI2の方がエネルギーが高いので、上の位置に書く。

STEP3

図に書き込んだ分子(化合物)を「バラバラ」の状態にし、エネルギー図の上の位置に書く。

H2とCl2が、それぞれH原子とCl原子になった場合を考える。

STEP4

それぞれの結合を切るために必要なエネルギーを書きこむ。

問題文に書いてあったHーH、IーI、HーI結合の結合エネルギーを図中に書き込もう。

STEP5

ヘスの法則を利用して方程式を作成し、それを解く。

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