はじめに
このページでは、活性化エネルギーと反応熱について、グラフや各種用語などを図を用いて一から丁寧に解説していく。大学入試でも頻出の分野なので必ず理解しておくようにしよう。
活性化エネルギーと反応熱
活性化エネルギー
活性化状態
反応熱
活性化エネルギーと反応熱の違いについてきちんと区別できていない人は多い。ここでは、水素H2とヨウ素I2がヨウ化水素HIになる反応を例に説明していくので、必ず理解しておくようにしよう。
水素とヨウ素の反応
水素(H2)とヨウ素(I2)の反応は、以下の化学反応式で表される。
H_{2}+I_{2}→2HI
\]
ただし、H2とI2を反応させても、いきなり安定なHIができるわけではない。説明していこう。
STEP1 | 反応物(H2・I2)に外部から活性化エネルギーが加わる → 活性化状態(遷移状態)になる |
STEP2 | 活性化状態からエネルギーを放出し、生成物(HI)ができる |
STEP1
まずは、反応物である水素(H2)とヨウ素(I2)に外部エネルギー(活性化エネルギー)が加わり、「活性化状態」となる。
活性化状態は、H2とI2が反応してHIになりかけてはいるけれども、エネルギー状態が高く非常に不安定である。
STEP2
活性化状態から、エネルギーを放出して安定したHIになる。
このとき、「最初のH2・I2のエネルギーと、安定したHIのエネルギーの差」を反応熱という。(図の緑の部分だね)
活性化エネルギーと反応速度
活性化エネルギー(小)→反応速度(大)
活性化エネルギーが大きい場合
活性化エネルギーエネルギーは「反応物が活性化状態になるために必要なエネルギー」だった。従って、これが大きいということは「反応物が活性化状態になるまで時間がかかる」ということになるね。すると当然、反応全体にかかる時間も長くなる。
活性化エネルギーが小さい場合
逆に、活性化エネルギーが小さいと「反応物が活性化状態になるまで時間がかかる時間が短い」ということだから、反応全体にかかる時間も短くなる。
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