【プロ講師解説】有機化合物には炭素C、水素H、窒素N、硫黄S、塩素Clといった元素が含まれている。このページでは『有機化合物の成分元素の確認方法』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
炭素Cの確認
操作
有機化合物を完全燃焼させる
生成物
二酸化炭素CO2
確認方法
発生したCO2を石灰水に通じると水に難溶の炭酸カルシウムCaCO3が生じ、溶液が白濁する
\[
Ca(OH)_{2}+CO_{2}→CaCO_{3}↓ +H_{2}O
\]
Ca(OH)_{2}+CO_{2}→CaCO_{3}↓ +H_{2}O
\]
水素Hの確認
操作
有機化合物を完全燃焼させる
生成物
水H2O
確認方法
生じたH2Oを硫酸銅(Ⅱ)無水物CuSO4(白)に接触させると硫酸銅(Ⅱ)五水物CuSO4・5H2O(青)が生成する
窒素Nの確認
操作
有機化合物に水酸化ナトリウムNaOHなどの強塩基を加えて加熱する
生成物
アンモニアNH3
確認方法
発生したNH3を塩化水素HClと反応させると塩化アンモニウムNH4Clの白煙が生じる
\[
NH_{3}+HCl→NH_{4}Cl
\]
NH_{3}+HCl→NH_{4}Cl
\]
硫黄Sの確認
操作
有機化合物に金属ナトリウムNaや水酸化ナトリウムNaOHを加えて加熱する
生成物
硫化物イオンS2-
確認方法
S2-を含む生成物を水に溶かして酢酸鉛(Ⅱ)Pb(CH3COO)2水溶液を加えると硫化鉛PbSの黒色沈殿を生じる
\[
S^{2-}+Pb^{2+}→PbS↓
\]
S^{2-}+Pb^{2+}→PbS↓
\]
塩素Clの確認
操作
有機化合物を焼いた銅線につけて燃焼させる
生成物
塩化銅(Ⅱ)CuCl2
確認方法
CuCl2がバーナーの炎の中で容易に分解して、青緑色の発光原因となる原子団が生じ、銅の炎色反応が見られる。
ちなみに、塩素Clだけではなく臭素Brやヨウ素Iでも同様の反応が起こる
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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