【硫化亜鉛型構造】イオン結晶の配位数・半径・限界半径比まとめ

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『【硫化亜鉛型構造】イオン結晶の配位数・半径・限界半径比まとめ』について解説しています。


硫化亜鉛型構造とは

  • 次のような構造をもつイオン結晶を硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)という。

硫化亜鉛型構造に含まれる陽イオン・陰イオンの数

  • 硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)に含まれる陽イオン、陰イオンの数を数える。

亜鉛イオンZn2+

  • まずは、硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)に含まれるZn2+を数える。
  • 硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の単位格子には丸々1個のZn2+が4個存在する。
  • したがって、硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の単位格子に含まれるZn2+の数は4個である。

S2ーの数

  • まずは、硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)に含まれるS2ーを数える。
  • 硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)に含まれるS2ーのうち、格子の各頂点にあるものはS2ーを8分割した状態になっている。
  • したがって、8分割(1/8)したものが頂点の数分=8個あるので…

\[
\frac{ 1 }{ 8 }×8=1
\]

  • 頂点にあるS2ーの数は合わせて1個である。
  • 硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)に含まれるS2ーのうち、各“面”の中心にあるものは、S2ーを2分割したものになっている。
  • したがって、2分割(1/2)したものが面の数分=6個あるので…

\[
\frac{ 1 }{ 2 }×6=3
\]

  • 面の中心にあるS2ーの数は合わせて3個である。
  • 以上より、硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)に含まれるS2ーの数は4個である。

\[
1+3=4
\]


硫化亜鉛型構造の配位数

  • 硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)において、Zn2+は周りの4個のS2ーと接しており、同様にS2ーも周りの4個のZn2+と接している。
  • したがって、硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の各イオンの配位数は4である。

硫化亜鉛型構造の限界半径比

  • 硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の限界イオン半径比は≦0.41である。

参考:限界イオン半径比(定義・求め方・配位数との関係など)


ZnS型構造まとめ

この『【硫化亜鉛型構造】イオン結晶の配位数・半径・限界半径比まとめ』のページで解説した内容をまとめる。

  • 硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の単位格子に含まれるZn2+の数は4個である。
  • 硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)に含まれるS2ーの数は4個である。
  • 硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の各イオンの配位数は4である。
  • 硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の限界イオン半径比は≦0.41である。

演習問題

【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答問題を公開しています。問題一覧は【スマホで出来る】一問一答(高校化学・化学基礎)でご覧下さい。

問1

硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の単位格子に含まれるZn2+の数は【1】個である。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】4

硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の単位格子に含まれるZn2+の数は4個である。

問2

硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)に含まれるS2ーの数は【1】個である。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】4

硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)に含まれるS2ーの数は4個である。

問3

硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の各イオンの配位数は【1】である。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】4

硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の各イオンの配位数は4である。

問4

硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の限界イオン半径比は≦【1】である。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】0.41

硫化亜鉛型構造(ZnS型構造)の限界イオン半径比は≦0.41である。

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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