【プロ講師解説】このページでは『ヨウ素デンプン反応(原理や色変化、反応式など)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。

ヨウ素デンプン反応の原理

ヨウ素がらせん構造に入りこむ
Point!

デンプンのアミロースやアミロペクチンにヨウ素ヨウ化カリウム溶液(ヨウ素液)を加えると、らせん構造の「環」の中にヨウ素I2分子が連続して入り込んで呈色する。この反応をヨウ素デンプン反応という。

ヨウ素デンプン反応では加熱すると色が消え、冷却すると再び呈色する。
これは、加熱により水素結合が切れてらせん構造が崩れても、冷却するとらせん構造が再び形成されるためである。

ヨウ素デンプン反応における色の違い

らせん構造の長さに注目!
Point!

ヨウ素デンプン反応の色は、I2の並ぶことのできる数、つまりらせん構造の長さに依存する。
したがって、アミロースの場合は「青紫色」、らせん構造の短いアミロペクチンは「赤紫色」、さらにらせん構造の短いグリコーゲンは「(赤)褐色」を呈する。

ヨウ素液の反応式

ヨウ素ヨウ化カリウム溶液(ヨウ素液)は、ヨウ化カリウムKI水溶液にヨウ素I2を溶かしたものである。
溶液中では、以下のような平衡状態が成立している。

\[
KI+I_{2}⇆KI_{3}\\
I^{-}+I_{2}⇆ \underbrace{I_{3}^{-}(褐色)}_{ 三ヨウ化物イオン }
\]

水に溶けにくいI2を水溶液中で反応させる際に用いる。

演習問題

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

デンプンのアミロースやアミロペクチンにヨウ素ヨウ化カリウム溶液(ヨウ素液)を加えると、らせん構造の環に【1】分子が連続して入り込んで呈色する。この反応を【2】という。
【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ヨウ素I2【2】ヨウ素デンプン反応

デンプンのアミロースやアミロペクチンにヨウ素ヨウ化カリウム溶液(ヨウ素液)を加えると、らせん構造の「環」の中にヨウ素I2分子が連続して入り込んで呈色する。この反応をヨウ素デンプン反応という。

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

ヨウ素デンプン反応では、加熱すると色が消え、冷却すると再び呈色する。
これは、加熱により【1】結合が切れて【2】構造が崩れても、冷却すると【2】構造が再び形成されるためである。
【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】水素【2】らせん

ヨウ素デンプン反応では加熱すると色が消え、冷却すると再び呈色する。
これは、加熱により水素結合が切れてらせん構造が崩れても、冷却するとらせん構造が再び形成されるためである。

問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

ヨウ素デンプン反応において、アミロースは【1】色、アミロペクチンは【2】色、グリコーゲンは【3】色を呈する。
【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】青紫【2】赤紫【3】(赤)褐

ヨウ素デンプン反応の色は、I2の並ぶことのできる数、つまりらせん構造の長さに依存する。
したがって、アミロースの場合は「青紫色」、らせん構造の短いアミロペクチンは「赤紫色」、さらにらせん構造の短いグリコーゲンは「(赤)褐色」を呈する。

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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