はじめに
中学でも出てくるヨウ素デンプン反応の仕組みを理解できていない高校生は以外と多い。このページではヨウ素デンプン反応の原理から色変化、反応式などについて一から丁寧に解説していく。ぜひこの機会にヨウ素デンプン反応をマスターして、周りの受験生と差をつけよう!
ヨウ素デンプン反応の原理
ヨウ素がらせん構造に入りこむ
Point!
デンプンのアミロースやアミロペクチンにヨウ素ヨウ化カリウム溶液(ヨウ素液)を加えると、らせん構造の「環」の中にヨウ素I2分子が連続して入り込んで呈色する。この反応をヨウ素デンプン反応という。
ヨウ素デンプン反応では加熱すると色が消え、冷却すると再び呈色する。これは、加熱により水素結合が切れてらせん構造が崩れるが、冷却するとらせん構造が再び形成されるためである。
ヨウ素デンプン反応における色の違い
らせん構造の長さに注目!
Point!
ヨウ素デンプン反応の色は、I2の並ぶことのできる数、つまりらせん構造の長さに依存する。したがって、アミロースの場合は「青紫色」、らせん構造の短いアミロペクチンは「赤紫色」、さらにらせん構造の短いグリコーゲンは「(赤)褐色」を呈する。
ヨウ素液の反応式
ヨウ素ヨウ化カリウム溶液(ヨウ素液)は、ヨウ化カリウムKI水溶液にヨウ素I2を溶かしたものである。溶液中では平衡にあり、反応式は次の通りである。
\[
KI+I_{2}⇆KI_{3}\\
I^{-}+I_{2}⇆ \underbrace{I_{3}^{-}(褐色)}_{ 三ヨウ化物イオン }
\]
KI+I_{2}⇆KI_{3}\\
I^{-}+I_{2}⇆ \underbrace{I_{3}^{-}(褐色)}_{ 三ヨウ化物イオン }
\]
水に溶けにくいI2を水溶液中で反応させる際に用いる。
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