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工業的製法の流れ・仕組み
銅の工業的製法は主に「粗銅の精製」と「電解精錬」の2段階に分けることができる。
ここでは、これらの段階をより細かくした以下の3STEPで、工業的製法の流れ・仕組みを一から確認していこうと思う。

STEP1
まずは、原料となる黄銅鉱(CuFeS2)にコークスCと石灰石CaCO3を混ぜて溶鉱炉で加熱する。
これにより、硫化銅(Ⅰ)Cu2Sが生じる。
STEP2
次に、STEP1で得たCu2Sに転炉でO2を吹き込み加熱する。
Cu_{2}S + O_{2} → 2Cu + SO_{2}
\]
ここで精製した銅は「粗銅」と呼ばれる不純物を多く含んだ銅。STEP3で電解精錬を行うことで不純物を取り除きより純粋な銅にしていく。
STEP3
最後に、電解精錬を行い純銅を得る。電解精錬の仕組みについて詳しいことは以下に記述してあるのでそちらを確認しよう!
電解精錬の仕組み

STEP1
まずは、粗銅を陽極に、純銅を陰極にして硫酸銅(Ⅱ)CuSO4水溶液中で電気分解(=電解精錬)を行う。
STEP2
CuSO4水溶液中には銅イオンCu2+が既に存在しているよね。(当然SO42-もいる)
従って、銅よりもイオン化傾向が高い金属たちは「銅が溶けているのにオレたちが溶けていないのはおかしい!溶ける!」という感じで真っ先に溶液中に溶け出し陽イオンとなる。
(当然銅も、周りの液に既に銅イオンが存在しているわけだから、溶け出してCu2+となる)
また、粗銅に含まれる”銅よりもイオン化傾向が小さい金属”は(陽イオンにはならず)金属板からはがれて沈殿を形成する。(=陽極泥)
STEP3
陰極では、Cu2+がe–を受けとり単体のCu(純銅)となり、陰極板の純銅に貼り付く。
Zn2+やFe2+はCu2+に比べてイオン化傾向(=イオンでいたい度合い)が大きいので、e–を受け取り単体になることはない。
電解精錬の反応式まとめ
陽極の反応式
Zn → Zn^{2+} + 2e^{-}\\
Fe → Fe^{2+} + 2e^{-}\\
Cu → Cu^{2+} + 2e^{-}\\
(AgやAuは陽極泥として沈殿)
\]
陰極の反応式
Cu^{2+} + 2e^{-} → Cu
\]
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