【プロ講師解説】このページでは『窒素の単体と化合物の性質・製法で紹介したアンモニアNH3の製法として知られる「ハーバー・ボッシュ法」(原理・反応式・高温高圧下の理由など)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
ハーバー法(ハーバー・ボッシュ法)
窒素N2は非常に安定しており、ほとんど化合物を作らないことで有名である。
窒素元素は肥料の三要素の1つであり、固定化して植物に与える必要があったため、研究者は苦難していた。
そんな中、20世紀の初め頃、ドイツのフリッツ・ハーバーとカール・ボッシュによってアンモニアNH3の製法であるハーバー法(ハーバー・ボッシュ法)が開発された。
この方法は非常に画期的なもので、四酸化三鉄Fe3O4を触媒に用い、高温高圧下で次の反応を進める。
\[
N_{2}+3H_{2} \overset{触媒(Fe_{3}O_{4})}{→} 2NH_{3}
\]
N_{2}+3H_{2} \overset{触媒(Fe_{3}O_{4})}{→} 2NH_{3}
\]
高温高圧下の理由
ハーバー法を行う条件が高温高圧下である理由を確認する。
高圧
高圧下で反応を行うのは、平衡時のNH3の吸収率を上げるためである。
高温
高温下で反応を行うのは、反応速度を大きくし、早く平衡状態に到達させるためである。
低温下の方が平衡時のNH3の吸収は良くなる。しかし温度が低いと反応速度が遅くなり平衡に到達するまでの時間が長くかかってしまう。ゆっくりたくさんできるよりも、少しずつでも早くできる方が結果として多くのNH3を得ることができるわけである。
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
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