【プロ講師解説】このページでは『反応速度が変化する要因』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。

3つの要因

濃度/温度/触媒
Point!

反応速度に影響を与える要因は主に『濃度/温度/触媒』の3つである。

濃度

濃度を大きくする
→分子同士の衝突回数が増える
→反応速度増加
Point!

化学反応が起こるには、分子同士が衝突する必要がある。
濃度を大きくすると分子同士の衝突回数が増えるので、反応速度も大きくなる。

温度

温度を大きくする
→ 運動エネルギーの大きな分子(活性化エネルギー以上のエネルギーをもつ分子)が増える
→ 反応速度増加
Point!

温度が上昇することで、運動エネルギーの大きな分子の割合が増加する。
これは、「活性化エネルギー以上のエネルギーをもつ分子の割合が増加する」と考えることができるので、温度が上昇すると反応速度は大きくなる。


※活性化エネルギーについて詳しくは活性化エネルギーと反応熱を参照

触媒

触媒を加える
→ 活性化エネルギーdown
→ 反応速度増加
Point!

触媒を加えると、活性化エネルギーが低下する。

活性化エネルギーは、「反応が進行するためにはこれ以上のエネルギーにならなくては」というエネルギーなので、これが低下すると反応が簡単に進行することになる。
従って、触媒を加えて活性化エネルギーが低下すると、反応速度は増加する。

また、触媒を加えても「反応熱」は変わらない。

これは、(反応熱=反応物と生成物のエネルギー差なので)反応物と生成物のエネルギーが変化していないことを考えると当然である。

※活性化エネルギー・反応熱について詳しくは活性化エネルギーと反応熱を参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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