はじめに

多くの高校生・受験生が「暗記不十分」な状態で放置している無機化学。このページでは、ケイ素の単体とその化合物について、性質や各種反応、製法などを1から丁寧に解説していく。ぜひこの機会に知識を定着させ、ライバルと差をつけよう!


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ケイ素の単体

①共有結合結晶
②硬く、融点が高い
③非金属だが金属光沢があり、半導体として用いられる
④工業的製法:ケイ砂をコークスとともに加熱し、精製する
Point!

①共有結合結晶

Si/SiO2/SiC/C
Point!

ケイ素の単体は、繰り返し構造をした共有結合結晶(高分子)であり、組成式で表される。
共有結合結晶の形をとる物質は以下のものに限られるので、ケイ素を含め全て覚えておくようにしよう。

②硬く、融点が高い

ケイ素の単体は共有結合結晶であるが故に、(結合が硬くなかなか切れなので)硬く、融点も高い。

③非金属だが金属光沢があり、半導体として用いられる

ケイ素の単体は、非金属であるが金蔵光沢をもっており電気伝導性もある程度はもつため、高純度なものは半導体として用いられる。

④工業的製法:ケイ砂をコークスとともに加熱し、精製する

ケイ素の単体は天然には存在しないため、ケイ砂(主成分:SiO2)をコークスとともに加熱することにより粗製のケイ素(不純物を含むケイ素)を作り、それを精製することで純度の高いケイ素の単体を得る。

\[
SiO_{2} + 2C → Si + 2CO
\]

ケイ素の酸化物(二酸化ケイ素)

①単体同様、繰り返し構造をした共有結合結晶で、組成式で表される
②石英/結晶/ケイ砂として天然に存在
③酸性酸化物であり、塩基と中和反応する
④ガラスとして用いられる
Point!

ケイ素の酸化物として覚えておかなければいけないのは二酸化ケイ素SiO2である。この酸化物には上のような特徴がある。

①単体同様、繰り返し構造をした共有結合結晶で、組成式で表される

二酸化ケイ素は単体と同様、繰り返し構造をした共有結合結晶として存在し、高分子であるため組成式で表される。

共有結合結晶について詳しくは共有結合結晶とは?性質や例・特徴・組成式・融点・電気伝導性などを解説!を確認しよう。

②石英/結晶/ケイ砂として天然に存在

二酸化ケイ素は主に石英として岩石中に存在している。また、より大きく透明な結晶を水晶、砂状になったものをケイ砂という。

③酸性酸化物であり、塩基と中和反応する

二酸化ケイ素は非金属の酸化物なので、酸性酸化物である。(酸化物に関して詳しいことは「酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物の違いを徹底解説!〜定義からそれぞれの酸・塩基との反応まで〜」を見てね)

従って、塩基と反応する場合がある。

\[
SiO_{2} + 2NaOH → Na_{2}SiO_{3} + H_{2}O
\]

④ガラスとして用いられる

二酸化ケイ素を高温で加熱し融解させた後冷やして作られたガラスを、石英ガラスという。

石英ガラスは、フッ化水素とは次のように反応し溶解する。

\[
SiO_{2} + 6HF → H_{2}SiF_{6} + 2H_{2}O
\]

ケイ素の塩(ケイ酸ナトリウム)

①繰り返し構造をした高分子化合物で、組成式で表される
②水を加えて加熱すると加水分解し、粘性をもつ水ガラスになる
③工業的製法:二酸化ケイ素に炭酸ナトリウムを加えて加熱する
Point!

ケイ素を含む塩として有名なのはケイ酸ナトリウムNa2SiO3である。この塩には上のような特徴がある。

①繰り返し構造をした高分子化合物で、組成式で表される

ケイ酸ナトリウムは、繰り返し構造をした高分子化合物で、組成式を用いて表される。

②水を加えて加熱すると加水分解し、粘性をもつ水ガラスになる

Point!

水を加えて加熱することで加水分解し、粘性をもつ水ガラスになる。

③工業的製法:二酸化ケイ素に炭酸ナトリウムを加えて加熱する

ケイ酸ナトリウムは、二酸化ケイ素SiO2に炭酸ナトリウムNa2CO3を加えて加熱することで得られる。(中和反応)

\[
SiO_{2} + Na_{2}CO_{3} → Na_{2}SiO_{3} + CO_{2}
\]

ケイ素のオキソ酸(ケイ酸)

①製法:水ガラスの水溶液に塩酸を反応させる
②脱水するとシリカゲルになる
Point!

ケイ素を含むオキソ酸として有名なのはケイ酸H2SiO3である。ケイ酸のポイントは2つ。

①製法:水ガラスの水溶液に塩酸を反応させる

ケイ酸は、上で出てきた”水ガラス”の水溶液に塩酸HClを反応させることで得られる。

\[
Na_{2}SiO_{3} + 2HCl → 2NaCl + H_{2}SiO_{3}
\]

Na2SiO3は弱酸を含む塩、HClは強酸なので、この反応は”弱酸遊離反応”の一種と考えることができるね。(弱酸遊離反応に関して詳しいことは【原理】弱酸・弱塩基遊離反応の仕組みや公式、反応式の作り方を解説!を見てね)

また、H2SiO3の沈殿は「白色のゲル状」であるということも押さえておこう。

②脱水するとシリカゲルになる

ケイ酸を加熱し脱水したものをシリカゲルSiO2・nH2Oという。

シリカゲルはケイ酸に比べて空洞が多くなっており、気体を吸着しやすい。従って、乾燥剤や吸着剤として用いられる。

高校化学で頻出の乾燥剤については【乾燥剤】酸性・中性・塩基性の乾燥剤一覧や分類・仕組みを解説!で確認しよう。

ケイ素の化合物まとめ

Point!

最後に、二酸化ケイ素SiO2・ケイ酸ナトリウムNa2SiO3・水ガラス・ケイ酸H2SiO3・シリカゲルの関係をまとめると上のようになる。

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