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有機化合物とは(定義・特徴・性質など)
目次
はじめに
【プロ講師解説】このページでは『有機化合物とは(定義・特徴・性質など)』について解説しています。
有機化合物とは
- 炭素C原子を含む化合物を有機化合物(有機物)という。
- ただし、以下の化合物は例外的に無機化合物である。
炭酸塩・炭酸水素塩
- 一酸化炭素CO
- 二酸化炭素CO2
- 炭酸カルシウムCaCO3
- 炭酸水素ナトリウムNaHCO3
シアン化合物
- シアン化水素HCN
- シアン化カリウムKCN
有機化合物の特徴
- 有機化合物の特徴を紹介する。
炭素原子を骨格とする
- 炭素原子は共有結合によって連続的につながることが可能であり、二重結合や三重結合を作ることができる。
- さらには水素H、酸素O、窒素N、硫黄S、塩素Clなどの原子と共有結合をすることによって、様々な分子をつくる。
構成元素の種類が少ない
- 炭素C以外の有機化合物の構成元素は、水素H、酸素O、窒素N、硫黄S、ハロゲンなどに限られ、無機化合物と比較して構成元素の種類が少ない。
- 有機化合物の多くは、これら少数の非金属元素から構成された分子である。
化合物の種類が多い
- 現在知られている物質は約5000万種類だが、そのうちの9割以上は有機化合物で、無機化合物と比較して種類が非常に多い。
- これは、炭素原子同士が数多くつながることや、炭素原子が多様な結合を作るためである。
有機化合物の性質
- 有機化合物の性質を紹介する。
融点・沸点が低い
- 有機化合物はほとんどが分子である。
- 固体同士では、分子同士が弱い分子間力で繋がっているだけなので、温度を上げると容易に分子間力による結合が切れ、液体を経て、気体になる。
- また、固体が液体を経ないで気体になる(昇華する)場合もある。
参考:【物質の三態】状態変化とは?原理や用語(凝縮・昇華等)を図を使って解説!
燃えるものが多い
- 有機化合物を空気中で加熱すると、燃焼するものが多く、そのとき発生する燃焼熱も大きい。
- そのため灯油、ガソリン、天然ガス、アルコールなど、燃料の多くは有機化合物である。
- 有機化合物が完全燃焼すると、構成元素のうち、炭素Cは二酸化炭素CO2に、水素Hは水H2Oになる。
- 大気中の二酸化炭素の割合が増加する主な原因は、有機化合物の燃焼によるものだとされている。
水に溶けにくく、有機溶媒に溶けやすい
- 有機化合物の構造は、C原子の骨格にH原子が結合したものが大部分である。
- C-C結合には極性がなく、C-H結合もCとHの電気陰性度の差が小さいので極性は小さい。
- したがって、有機化合物の分子には極性がほとんどなく、水に溶けにくく、エーテルなどの有機溶媒に溶けやすい。
- 例外的に水に溶けても、電離してイオンになることは少なく、多くは分子のままで溶けている。
- すなわち、水溶液が電気を通さない非電解質が多い。
反応速度が小さい
- 燃焼のような高温での反応を除けば、有機化合物の反応速度は小さい。
- これは、有機化合物の反応は共有結合の切断を必要とするため、活性化エネルギーが大きいからである。