油脂【高校化学・化学基礎一問一答】

目次

はじめに

【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答問題を公開しています。問題一覧は【スマホで出来る】一問一答(高校化学・化学基礎)でご覧下さい。


問1

油脂は【1】【2】によって構成される。

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解答:【1】グリセリン【2】脂肪酸(順不同)

油脂はグリセリンと脂肪酸によって構成される。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問2

グリセリンの分子式は【1】であり、【2】価のアルコールである。

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解答:【1】C3H8O3【2】3

グリセリンの分子式はC3H8O3であり、3価のアルコールである。

参考:グリセリン(構造式・化学式・油脂との関係など)

問3

炭素数の多い1価のカルボン酸を【1】という。

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解答:【1】高級脂肪酸

炭素数の多い1価のカルボン酸を高級脂肪酸という。

参考:高級脂肪酸(炭素数・覚え方・種類・一覧・構造式・分子量など)

問4

高級脂肪酸の特徴として、全炭素数が【1(偶 or 奇)】数、炭化水素基の部分に存在する不飽和結合は【2(シス or トランス)】型などがある。

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解答:【1】偶【2】シス

高級脂肪酸の特徴として、全炭素数が偶数、炭化水素基の部分に存在する不飽和結合はシス型などがある。

参考:高級脂肪酸(炭素数・覚え方・種類・一覧・構造式・分子量など)

問5

飽和脂肪酸は炭素数が増加するにつれて融点が【1(上昇 or 下降)】する。これは、炭素数が増えると分子量が【2(大き or 小さ)】くなるため、分子間にはたらく引力が【3(強 or 弱)】くなるためである。

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解答:【1】上昇【2】大き【3】強

飽和脂肪酸は炭素数が増加するにつれて融点が上昇する。これは、炭素数が増えると分子量が大きくなるため、分子間にはたらく引力が強くなるためである。

参考:高級脂肪酸(炭素数・覚え方・種類・一覧・構造式・分子量など)

問6

不飽和脂肪酸はC=C結合部分が【1(シス or トランス)】型の配置を取るため、炭素鎖が【2(直線 or 折れ線)】形構造をしている。したがって、分子同士が接近しにくくなるため、分子間にはたらく引力が【3(強 or 弱)】くなり、融点が【4(高 or 低)】くなる。

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解答:【1】シス【2】折れ線【3】弱【4】低

不飽和脂肪酸はC=C結合部分がシス型の配置を取るため、炭素鎖が折れ線形構造をしている。したがって、分子同士が接近しにくくなるため、分子間にはたらく引力が弱くなり、融点が低くなる。

参考:高級脂肪酸(炭素数・覚え方・種類・一覧・構造式・分子量など)

問7

グリセリン1分子に高級脂肪酸3分子が結合した3価のエステル(トリグリセリド)を【1】という。

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解答:【1】油脂

グリセリン1分子に高級脂肪酸3分子が結合した3価のエステル(トリグリセリド)を油脂という。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問8

油脂に含まれる3つの脂肪酸が非対称の場合、その油脂は【1】をもつ。

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解答:【1】不斉炭素原子(C

油脂に含まれる3つの脂肪酸が非対称の場合、その油脂は不斉炭素原子(C)をもつ。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問9

長い炭素鎖をもったエステルである油脂は、【1(極性 or 無極性)】溶媒であるベンゼンやエーテルには溶けやすいが、【2(極性 or 無極性)】溶媒である水やエタノールには溶けにくい。

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解答:【1】無極性【2】極性

長い炭素鎖をもったエステルである油脂は、無極性溶媒であるベンゼンやエーテルには溶けやすいが、極性溶媒である水やエタノールには溶けにくい。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問10

油脂の構成脂肪酸中に不飽和結合が多いと、分子同士が近づき【1(やす or にく)】くなって、分子間にはたらく引力が【2(強 or 弱)】まり、融点が【3(高 or 低)】くなる。

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解答:【1】にく【2】弱【3】低

油脂の構成脂肪酸中に不飽和結合が多いと、分子同士が近づきにくくなって、分子間にはたらく引力が弱まり、融点が低くなる。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問11

エステルのアルカリによる加水分解を【1】という。

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解答:【1】けん化

エステルのアルカリによる加水分解をけん化という。

参考:けん化価とは(計算問題・ヨウ素価との違いなど)

問12

油脂は酵素リパーゼによって加水分解され、【1】【2】になる。

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解答:【1】グリセリン【2】脂肪酸(順不同)

油脂は酵素リパーゼによって加水分解され、グリセリンと脂肪酸になる。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問13

不飽和度が大きいために空気中で容易に固まる油を【1】という。

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解答:【1】乾性油

不飽和度が大きいために空気中で容易に固まる油を乾性油という。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問14

大豆油や綿実油のように固まる程度が少し弱い油を【1】という。

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解答:【1】半乾性油

大豆油や綿実油のように固まる程度が少し弱い油を半乾性油という。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問15

空気中で固まりにくい油を【1】という。

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解答:【1】不乾性油

空気中で固まりにくい油を不乾性油という。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問16

乾性油にPb、Mnなどの酸化物や塩を入れて加熱処理し、乾性が増した油を【1】という。

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解答:【1】ボイル油

乾性油にPb、Mnなどの酸化物や塩を入れて加熱処理し、乾性が増した油をボイル油という。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問17

油脂を空気中に放置すると、黄色味を帯び、不快な匂いを生じて酸性を示すようになる。これを【1】という。

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解答:【1】酸敗

油脂を空気中に放置すると、黄色味を帯び、不快な匂いを生じて酸性を示すようになる。これを酸敗という。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問18

酸敗が起こるのは、O2による酸化を受ける際、重合以外に開裂を起こして低分子量の【1】【2】を生じて悪臭を放つためである。したがって、不飽和度の【3(大き or 小さ)】い油脂ほど酸敗し易く、油が悪くなりやすい。

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解答:【1】アルデヒド【2】カルボン酸【3】大き(【1】・【2】は順不同)

酸敗が起こるのは、O2による酸化を受ける際、重合以外に開裂を起こして低分子量のアルデヒドやカルボン酸を生じて悪臭を放つためである。したがって、不飽和度の大きい油脂ほど酸敗し易く、油が悪くなりやすい。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問19

油脂にニッケルNiを触媒として水素を付加し、より飽和した油脂にすることができる。このとき生じる油脂を【1】といい、融点が【2(高 or 低)】く酸敗しにくいため、常温では【3(固 or 液 or 気)】体である。

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解答:【1】硬化油【2】高【3】固

油脂にニッケルNiを触媒として水素を付加し、より飽和した油脂にすることができる。このとき生じる油脂を硬化油といい、融点が高く酸敗しにくいため、常温では固体である。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問20

不飽和度が小さいために融点が高く、常温で固体の油脂を【1】、不飽和度が大きいために融点が低く、常温で液体の油脂を【2】という。

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解答:【1】脂肪【2】脂肪油

不飽和度が小さいために融点が高く、常温で固体の油脂を脂肪、不飽和度が大きいために融点が低く、常温で液体の油脂を脂肪油という。

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問21

分子量450の油脂と600の油脂のけん化価を比較するとどちらが大きいか。

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解答:分子量450の油脂

けん化価は油脂の分子量に反比例する。したがって、分子量450の油脂のけん化価と分子量600の油脂のけん化価を比較すると分子量450の油脂のけん化価の方が大きい。

参考:けん化価とは(計算問題・ヨウ素価との違いなど)

問22

分子量300の油脂のけん化価を求めよ(整数値で解答)。

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解答:560

\[ \begin{align}
けん化価&=\frac{ 1.68×10^{5} }{ M }\\
&=\frac{ 1.68×10^{5} }{ 300 }\\
&=560
\end{align} \]

参考:油脂(構造・酸化・加水分解・グリセリンや脂肪酸との関係など)

問23

ヨウ素価は油脂の【1】の数に比例する。

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解答:【1】二重結合

ヨウ素価は油脂の二重結合の数に比例し、分子量に反比例する。

参考:ヨウ素価とは(計算問題・けん化価との違いなど)

問24

分子量1000、1分子中の二重結合の数が10個の油脂のヨウ素価を求めよ(整数値で解答)。

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解答:254

\[ \begin{align}
ヨウ素価&=\frac{ 2.54a×10^{4} }{ M }\\
&=\frac{ 2.54×10×10^{4} }{ 1000 }\\
&=254
\end{align} \]

参考:ヨウ素価とは(計算問題・けん化価との違いなど)

問25

分子量878.2の油脂100gに付加するヨウ素は173.7gであった。この油脂1分子中の二重結合の数を求めよ(整数値で解答)。

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解答:6個

\[ \begin{align}
&173.7=\frac{ 2.54a×10^{4} }{ 878.2 }\\
&\leftrightarrow a≒6
\end{align} \]

参考:ヨウ素価とは(計算問題・けん化価との違いなど)

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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