【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

アミノ酸のうち、アミノ基とカルボキシ基が同じ炭素C原子に結合しているものを【1】という。
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解答:【1】α-アミノ酸

アミノ酸とは、アミノ基(-NH2)とカルボキシ基(-COOH)を併せもつ低分子化合物である。
アミノ酸のうち、アミノ基とカルボキシ基が同じ炭素原子に結合しているものをα-アミノ酸という。

※アミノ酸について詳しくはアミノ酸の定義や構造、分類(酸性・塩基性・中性)などを参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

α-アミノ酸は【1】をもつので1対の鏡像異性体が存在する。
L体とD体のうち天然に存在するのはほぼ【2】のみである。
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解答:【1】不斉炭素原子【2】L体

α-アミノ酸は不斉炭素原子(C*)をもつので1対の光学異性体(鏡像異性体)が存在する。
L体とD体のうち天然に存在するのはほぼL体のみである。

※アミノ酸について詳しくはアミノ酸の定義や構造、分類(酸性・塩基性・中性)などを参照

問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

カルボキシ基とアミノ基を同じ数もつアミノ酸を【1】、カルボキシ基が多いものを【2】、アミノ基が多いものを【3】という。
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解答:【1】中性アミノ酸【2】酸性アミノ酸【3】塩基性アミノ酸

アミノ基(-NH2)とカルボキシ基(-COOH)を同じ数もつアミノ酸を中性アミノ酸、カルボキシ基が多いものを酸性アミノ酸、アミノ基が多いものを塩基性アミノ酸という。

※アミノ酸について詳しくはアミノ酸の定義や構造、分類(酸性・塩基性・中性)などを参照

問4

【】に当てはまる用語を答えよ。

アミノ酸は、水溶液中で、陽イオン・陰イオン・双性イオンの間で平衡状態になっている。
この平衡混合物の正負の電荷が等しくなるときのpHを【1】という。
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解答:【1】等電点

水溶液中では陽イオン・陰イオン・双性イオンの間で平衡状態になっており、この平衡混合物の正負の電荷が等しくなるときのpHを等電点という。

※アミノ酸について詳しくはアミノ酸の定義や構造、分類(酸性・塩基性・中性)などを参照

問5

【】に当てはまる用語を答えよ。

あるpHの水溶液でろ紙を湿らせ、真ん中にアミノ酸の混合物を含ませてろ紙の両端に電圧をかけると、アミノ酸が移動するのを確認できる。これをアミノ酸の【1】という。
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解答:【1】電気泳動

あるpHの水溶液でろ紙を湿らせ、真ん中にアミノ酸の混合物を含ませてろ紙の両端に電圧をかけると、アミノ酸が移動するのを確認できる。
これをアミノ酸の電気泳動という。

※アミノ酸について詳しくはアミノ酸の定義や構造、分類(酸性・塩基性・中性)などを参照

問6

【】に当てはまる語を答えなさい。

アミノ酸は分子内にカルボキシ基とアミノ基を併せもっており、【1(酸or塩基)】性を示すカルボキシ基から【2(酸or塩基)】性を示すアミノ基にH+が移動し、分子内で塩を形成することがある。
このとき生じる正電荷と負電荷をもったイオンを【3】という。
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解答:【1】酸【2】塩基【3】双性イオン

アミノ酸は分子内にカルボキシ基(-COOH)とアミノ基(-NH2)を併せもっており、酸性を示す-COOHから塩基性を示す-NH2にH+が移動し、分子内で塩を形成することがある。

このとき生じる正電荷と負電荷をもつイオンを双性イオンという。

※双性イオンについて詳しくは双性イオン(定義や特徴、酸・塩基との反応など)を参照

問7

【】に当てはまる語を答えなさい。

双性イオンは【1】でお互いを引き合い、アミノ酸の結晶を形成する。
したがって、アミノ酸の結晶は【2】結晶であり、水に溶け【3(やすorにく)】く融点が【4(高or低)】いという特徴がある。
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解答:【1】クーロン力(静電引力)【2】イオン【3】やす【4】高

双性イオンはクーロン力(静電引力)でお互いを引き合い、アミノ酸の結晶を形成する。
したがって、アミノ酸の結晶はイオン結晶であり、水に溶けやすく融点が高いという特徴がある。

※双性イオンについて詳しくは双性イオン(定義や特徴、酸・塩基との反応など)を参照

問8

【】に当てはまる語を答えなさい。

アミノ酸の結晶を水に溶かし、そこに酸を加えるとアミノ酸は【1(陽or陰)】イオンとなる。
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解答:【1】陽

アミノ酸は結晶中で双性イオンとして存在している。
これを水に溶かし、そこに酸(HClなど)を加えると次のように反応しアミノ酸は(双性イオンから)陽イオンとなる。

※双性イオンについて詳しくは双性イオン(定義や特徴、酸・塩基との反応など)を参照

問9

【】に当てはまる語を答えなさい。

アミノ酸の結晶を水に溶かし、そこに塩基を加えるとアミノ酸は【1(陽or陰)】イオンとなる。
【問9】解答/解説:タップで表示
解答:【1】陰

アミノ酸の結晶を水に溶かし、そこに塩基(NaOHなど)を加えるとアミノ酸は陰イオンとなる。

※双性イオンについて詳しくは双性イオン(定義や特徴、酸・塩基との反応など)を参照

問10

【】に当てはまる語を答えなさい。

アミノ酸は溶液のpHが下がるほど【1(陽or陰)】イオンの、pHが上がるほど【2(陽or陰)】イオンの割合が高くなる。
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解答:【1】陽【2】陰

アミノ酸は溶液のpHが下がる(酸性になる)ほど陽イオンの、pHが上がる(塩基性になる)ほど陰イオンの割合が高くなる。

※双性イオンについて詳しくは双性イオン(定義や特徴、酸・塩基との反応など)を参照

問11

【】に当てはまる用語を答えよ。

アミノ酸のもつ正の電荷と負の電荷が釣り合ってアミノ酸全体として電荷をもたないpHを、そのアミノ酸の【1】という。
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解答:【1】等電点

双性イオン(定義や特徴、酸・塩基との反応など)でやったように、アミノ酸がもつ電荷は溶液のpHによって変化する。
アミノ酸のもつ正の電荷と負の電荷が釣り合ってアミノ酸全体として電荷をもたないpHを、そのアミノ酸の等電点という。
等電点では、ほぼ全てのアミノ酸が双性イオンになっており、少しだけ存在する陽イオンと陰イオンの数が等しく、全体で電荷は0になっている。

※等電点について詳しくは【アミノ酸】等電点(求め方・pHとの関係・計算問題の解き方など)を参照

問12

【】に当てはまる用語を答えよ。

中性アミノ酸の等電点は約【1】、酸性アミノ酸の等電点は約【2】、塩基性アミノ酸の等電点は約【3】である。
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解答:【1】6【2】3【3】10

中性アミノ酸の等電点は約6、酸性アミノ酸の等電点は約3、塩基性アミノ酸の等電点は約10である。

中性アミノ酸

アミノ酸 等電点
グリシン 5.97
アラニン 6.00
セリン 5.68
フェニルアラニン 5.48
チロシン 5.66
システイン 5.07
メチオニン 5.74

酸性アミノ酸

アミノ酸 等電点
アスパラギン酸 2.77
グルタミン酸 3.22

塩基性アミノ酸

アミノ酸 等電点
リシン 9.74

※等電点について詳しくは【アミノ酸】等電点(求め方・pHとの関係・計算問題の解き方など)を参照

問13

【】に当てはまる用語を答えよ。

酸性アミノ酸の等電点は【1(酸or塩基)】性側に偏る。
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解答:【1】酸

酸性アミノ酸はカルボキシ基を余分にもっている。

このカルボキシ基の電離を考えると…

等電点ではほとんどのイオンが双性イオンになっているので、溶液中のH+濃度を大きくして(ルシャトリエの原理により)平衡を左に移動させた点が等電点となる。

したがって、酸性アミノ酸の等電点は酸性側に偏る。

※等電点について詳しくは【アミノ酸】等電点(求め方・pHとの関係・計算問題の解き方など)を参照

問14

【】に当てはまる用語を答えよ。

塩基性アミノ酸の等電点は【1(酸or塩基)】性側に偏る。
【問14】解答/解説:タップで表示
解答:【1】塩基

塩基性アミノ酸はアミノ基を余分にもっている。

このアミノ基の水溶液中での反応を考えると…

等電点ではほとんどのイオンが双性イオンになっているので、溶液中のOH濃度を大きくして(ルシャトリエの原理により)平衡を左に移動させた点が等電点となる。

したがって、塩基性アミノ酸の等電点は塩基性側に偏る。

※等電点について詳しくは【アミノ酸】等電点(求め方・pHとの関係・計算問題の解き方など)を参照

問15

【】に当てはまる用語を答えよ。

あるpHの水溶液でろ紙を湿らせ、真ん中にアミノ酸の混合物を含ませてろ紙の両端に電圧をかけると、アミノ酸が移動するのを確認できる。これをアミノ酸の【1】という。
【問15】解答/解説:タップで表示
解答:【1】電気泳動

あるpHの水溶液でろ紙を湿らせ、真ん中にアミノ酸の混合物を含ませてろ紙の両端に電圧をかけると、アミノ酸が移動するのを確認できる。これをアミノ酸の電気泳動という。

※アミノ酸の電気泳動について詳しくは電気泳動(原理・中性/酸性/塩基性アミノ酸の移動方向など)を参照

問16

【】に当てはまる用語を答えよ。

pH6.0の水溶液で湿らせたろ紙を用いて電気泳動をすると、酸性アミノ酸はカルボキシ基が【1(プラスorマイナス)】に帯電しているため、【2(陽or陰)】極側に移動する。
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解答:【1】マイナス【2】陽

酸性アミノ酸は、中性下において、カルボキシ基の電離によりマイナスに帯電しているため、電気泳動をすると陽極側に移動する。

※アミノ酸の電気泳動について詳しくは電気泳動(原理・中性/酸性/塩基性アミノ酸の移動方向など)を参照

問17

【】に当てはまる用語を答えよ。

pH6.0の水溶液で湿らせたろ紙を用いて電気泳動をすると、塩基性アミノ酸はアミノ基が【1(プラスorマイナス)】に帯電しているため、【2(陽or陰)】極側に移動する。
【問17】解答/解説:タップで表示
解答:【1】プラス【2】陰

塩基性アミノ酸は、中性下において、アミノ基がH+を受け取りプラスに帯電しているため、電気泳動をすると陰極側に移動する。

※アミノ酸の電気泳動について詳しくは電気泳動(原理・中性/酸性/塩基性アミノ酸の移動方向など)を参照

問18

【】に当てはまる用語を答えよ。

1つのアミノ酸のカルボキシ基と、もう1つのアミノ酸のアミノ基が脱水縮合したときに生じるアミド結合を【1】という。
【問18】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ペプチド結合

1つのアミノ酸のカルボキシ基(-COOH)と、もう1つのアミノ酸のアミノ基(-NH2)が脱水縮合する。
このとき生じるアミド結合(-CONH-)を特にペプチド結合という。

※ペプチド結合について詳しくはペプチド結合(アミド結合との違いなど)を参照

問19

【】に当てはまる用語を答えよ。

ペプチド結合をもつ化合物を【1】といい、2分子のアミノ酸からなる【1】を【2】、3分子のアミノ酸からなる【1】を【3】、多数のアミノ酸からなる【1】を【4】という。
【問19】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ペプチド【2】ジペプチド【3】トリペプチド【4】ポリペプチド

ペプチド結合をもつ化合物をペプチドといい、ペプチドのうち2分子のアミノ酸からなるペプチドをジペプチド、3分子のアミノ酸からなるペプチドをトリペプチド、多数のアミノ酸からなるペプチドをポリペプチドという。

※ペプチド結合について詳しくはペプチド結合(アミド結合との違いなど)を参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

著者紹介詳細