【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

金属の陽イオンに分子やイオンが配位結合することによってできたイオンを【1】という。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】錯イオン

金属の陽イオン分子陰イオン配位結合することによってできたイオンを錯イオンという。

※錯イオンについて詳しくは【錯イオン】色・配位数・形・価数・命名法を総まとめを参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

錯イオンを作っている分子やイオンのことを【1】、配位子の数を【2】という。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】配位子【2】配位数

錯イオンにおいて、金属イオンに配位結合している分子やイオンを配位子、配位子の数を配位数という。

※錯イオンについて詳しくは【錯イオン】色・配位数・形・価数・命名法を総まとめを参照

問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

錯イオン[Ag(NH3)2+の名称は【1】である。

【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ジアンミン銀(Ⅰ)イオン
STEP1 配位数をチェックする
STEP2 配位子をチェックする
STEP3 金属イオンをチェックする
STEP4 STEP1~STEP3でチェックしたものをまとめる
Point!

STEP1

1:モノ 2:ジ
3:トリ 4:テトラ
5:ペンタ 6:ヘキサ
Point!

錯イオンの名称の先頭には「ギリシャ文字」の数詞が書かれている。

使う数詞は配位数を見て判断する。

今回の場合は、配位数が「2」なのでギリシャ文字で2を表す「ジ」を使う。

STEP2

NH3:アンミン OH:ヒドロキシド
CN:シアニド S2O32-:チオスルファト
Point!

次は、錯イオンの名称の中で、配位子が関わっている部分をチェックしていこう。

今回の例では、NH3が配位子のため、錯イオンの名称の中にNH3を表す「アンミン」という言葉を入れる。

また、もし配位子がOHが配位子なら「ヒドロキシド」、CNなら「シアニド」、S2O32-なら「チオスルファト」を付けるということも知っておこう。

STEP3

Ag+/Cu2+/Zn2+/Fe2+/Fe3+
Point!

次に、錯イオン中の金属イオンをチェックしよう。

錯イオンによく含まれる金属イオンは上の通り。
今回の例ではこの中の「銀(Ⅰ)イオン」が使われているね。

したがって、名称にも「銀(Ⅰ)」を入れる。

STEP4

配位数+配位子名+金属+(酸)イオン
Point!

最後に、STEP1からSTEP3で得た情報を1つにまとめて錯イオンの名称を決定しよう。
上のポイントに書いたように、錯イオンの名称は「配位数+配位子名+金属+(酸)イオン」の順になる。

まずは、今回例として使っている錯イオン[Ag(NH3)2]+についてSTEP1からSTEP3で得た情報をまとめてみる。

  • 配位数:2→ジ
  • 配位子名:NH3→アンミン
  • 金属イオン:Ag+

これらを「配位数+配位子名+金属+(酸)イオン」の順に並べると…

ジアンミン銀(Ⅰ)イオン

これが錯イオン[Ag(NH3)2]+の名称である。

※錯イオンの命名法について詳しくは【錯イオン】色・配位数・形・価数・命名法を総まとめを参照

問4

【】に当てはまる用語を答えよ。

金属イオン 配位数
Ag+ 【1】 【2】
Zn2+ 【3】 【4】
Cu2+ 【5】 【6】
Al3+ 【7】 【8】
Fe2+ 【9】 【10】
Fe3+ 【11】 【12】
【問4】解答/解説:タップで表示
解答:以下参照
金属イオン 配位数
Ag+ 直線
Zn2+ 正四面体
Cu2+ 正方形
Al3+ 正八面体
Fe2+ 正八面体
Fe3+ 正八面体

※錯イオンについて詳しくは【錯イオン】色・配位数・形・価数・命名法を総まとめを参照

問5

水酸化銅(Ⅱ)Cu(OH)2とアンモニアNH3の反応の反応式を書け。
【問5】解答/解説:タップで表示
解答:Cu(OH)2 + 4NH3 → [Cu(NH3)4](OH)2

STEP1

金属イオンを含む化合物に配位子を組み合わせて、イオン反応式を作成する

まずは、金属イオンを含む化合物Cu(OH)2と配位子NH3を組み合わせよう。

Cu(OH)2に含まれるCu2+だけを配位子NH3と組み合わせて、OHは外によけておく。

STEP2

STEP1で作成したイオン反応式に対となるイオンを足し、化学反応式を作成する

次は、STEP1で作成したイオン反応式の中にある”対となるイオン”を組み合わせて化学反応式を作る。

※錯イオンを含む反応式作成について詳しくは【錯イオン】色・配位数・形・価数・命名法を総まとめを参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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