【プロ講師解説】このページでは『酸素の反応(燃焼反応)〜原理や反応式の作り方など〜』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。

燃焼反応

紙が燃えたり木が燃えたりなど、物質が酸素と反応して熱や光を発する反応を燃焼反応という。燃焼反応は酸素O2酸化剤として働く酸化還元反応の一種である。

酸素は非常に反応性の高い分子なので、燃焼反応が起きると、燃焼している物質の結合が切り離されて各原子と酸素O原子が結合する。その結果、燃焼反応では、反応物を構成している元素ごとに燃焼時の変化先が決まってくるので、変化先の酸化物の化学式を知ってさえいれば、燃焼の反応式は簡単に書くことができる。

\[
反応物X+O_{2}→Xの成分元素の酸化物
\]

燃焼反応による成分元素の変化先としては以下のものを覚えておこう。

\[
C→CO_{2}\\
H→H_{2}O\\
S→SO_{2}
\]

炭素C原子が燃焼した際の変化先はCO2、水素H原子が燃焼した際の変化先はH2O、硫黄S原子が燃焼した際の変化先はSO2である。

これ以降、燃焼反応を表す化学反応式の作り方について具体的な例を挙げて説明していこう。

燃焼反応の化学反応式の作り方

STEP1 反応物の化学式を書く
STEP2 CがCO2に、HがH2Oに、SがSO2に変化することを考慮して右辺の酸化物を書く
STEP3 各物質の係数を合わせる
Point!

燃焼反応の化学反応式はこの3STEPで作成する。

例)エタノールの完全燃焼

STEP1

反応物の化学式を書く

まずは反応物(今回はエタノール)の化学式を書く。

\[
C_{2}H_{5}OH
\]

STEP2

CがCO2に、HがH2Oに、SがSO2に変化することを考慮して右辺の酸化物を書く

次にCがCO2に、HがH2Oに、SがSO2に変化することを考慮して右辺の酸化物を書く。

\[
C_{2}H_{5}OH+O_{2}→CO_{2}+H_{2}O
\]

STEP3

各物質の係数を合わせる

最後に各物質の係数を合わせる。

\[
C_{2}H_{5}OH+3O_{2}→2CO_{2}+3H_{2}O
\]

係数の合わせ方がわからない場合は化学反応式(係数・作り方・書き方・計算問題の解き方など)を確認しよう。

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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