【プロ講師解説】このページでは『気体の拡散・混合』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
熱とは
どんな粒子も温度に応じた運動をしていて、これを熱運動という。温度が高くなると熱運動のエネルギーが大きくなり、熱運動が激しくなる。
粒子の熱運動は、煙の広がりを考えると理解しやすい。煙が部屋のある一箇所で発生すると、時間とともに部屋中に広がっていく。これは、粒子が熱運動で広がっていくためであり、この現象を拡散という。
水素H2と二酸化炭素CO2を別々の集気ビンに入れ、ガラス板を挟んで口を重ねた結果、ガラス板を取り除くと次のようになる。
混合時に反応しないとすれば、両者の物質量n1、n2を足し合わせて、混合気体の物質量nとすることができる。
\[
n_{1}+n_{2}=n・・・①
\]
n_{1}+n_{2}=n・・・①
\]
気体の状態方程式PV=nRTより、①式は次のように変形することができる。
\[
n_{1}+n_{2}=n\\
\frac{ P_{1}V_{1} }{ RT_{1} }+\frac{ P_{2}V_{2} }{ RT_{2} }=\frac{ PV }{ RT }\\
\Leftrightarrow \frac{ P_{1}V_{1} }{ T_{1} }+\frac{ P_{2}V_{2} }{ T_{2} }=\frac{ PV }{ T }・・・②
\]
n_{1}+n_{2}=n\\
\frac{ P_{1}V_{1} }{ RT_{1} }+\frac{ P_{2}V_{2} }{ RT_{2} }=\frac{ PV }{ RT }\\
\Leftrightarrow \frac{ P_{1}V_{1} }{ T_{1} }+\frac{ P_{2}V_{2} }{ T_{2} }=\frac{ PV }{ T }・・・②
\]
nのように、PV/Tの和を取ることもできる。さらに一定の量があると、②式は次のように変形できる。
コックでつないだ次の容器の場合は、気体の拡散によって最終的に左右の圧力が等しくなる。また、気体の体積は容積に一致する。
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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