【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

単糖類のうち、アルデヒド基をもつものを【1】、ケトン基をもつものを【2】という。
【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】アルドース【2】ケトース

単糖類は多くの水酸基をもつアルデヒド又はケトンである。このうち、アルデヒド基をもつものをアルドース、ケトン基をもつものをケトースという。
アルドースにはグルコース(ブドウ糖)やガラクトースなど、ケトースにはフルクトース(果糖)などが分類される。

※単糖類について詳しくは単糖類(分類・構造・性質・二糖や多糖との関係性など)を参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

天然に存在する単糖類は炭素C原子を6個もつものが多く、【1】と呼ばれる。【1】は、分子式【2】で表される。また、C原子が5個のものも存在しており、それは【3】と呼ばれる。【3】は、分子式【4】で表される。
【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ヘキソース(六単糖)【2】C6H12O6【3】ペントース【4】C5H10O5

天然に存在する単糖類は炭素C原子を6コもつものが多く、ヘキソース(六炭糖)と呼ばれる。ヘキソース(六炭糖)にはグルコース(ブドウ糖)、ガラクトース、フルクトース(果糖)などがあり、全て分子式C6H12O6で表される。
また、C原子が5コのものも存在しており、それはペントース(五炭糖)と呼ばれる。
ペントースにはリボースなどがあり、分子式C5H10O5で表される。
ちなみにリボースは遺伝やタンパク質の合成に重要な役割を果たすことで有名である。

※単糖類について詳しくは単糖類(分類・構造・性質・二糖や多糖との関係性など)を参照

問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

グルコース水溶液中では、鎖状構造の【1】型グルコース、環状構造の【2】-グルコース、【3】-グルコースの3種類が平衡状態で存在している。
ヘミアセタール構造のヒドロキシ基が六員環の上に突き出るものを【2】-グルコース、下に突き出るものを【3】-グルコースという。
【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】アルデヒド【2】β【3】α

グルコースは、水溶液中において、鎖状構造のアルデヒド型グルコース、環状構造のα-グルコース、β-グルコースの3種類が平衡状態で存在している。

アルデヒド型の1位のに5位のが付加することで、ヘミアセタールが生成し、この反応のことをヘミアセタール化という。

また、生じたヘミアセタールOHが六員環の上に突き出るものをβ型、下に突き出るものをα型という。

※単糖類について詳しくは単糖類(分類・構造・性質・二糖や多糖との関係性など)を参照

問4

【】に当てはまる用語を答えよ。

グルコースの4位のヒドロキシ基と水素H原子を入れ換えた単糖を【1】という。
【1】は【2】個の不斉炭素原子をもち、立体異性体が【3】個存在する。
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解答:【1】ガラクトース【2】4【3】16

ガラクトースは、グルコースの4位のヒドロキシ基と水素H原子を入れ換えたものである。

グルコースと同じように4コの不斉炭素をもち、立体異性体が24コ(=16コ)存在する。

※単糖類について詳しくは単糖類(分類・構造・性質・二糖や多糖との関係性など)を参照

問5

【】に当てはまる用語を答えよ。

フルクトースは【1】個の不斉炭素原子をもち、立体異性体が【2】個存在する。
リボースは【3】個の不斉炭素原子をもち、立体異性体が【4】個存在する。
【問5】解答/解説:タップで表示
解答:【1】3【2】8【3】3【4】8

フルクトースは3コの不斉炭素をもっているため、立体異性体が23コ(=8コ)存在する。

リボースは3コの不斉炭素をもっているため、立体異性体が23コ(=8コ)存在する。

※単糖類について詳しくは単糖類(分類・構造・性質・二糖や多糖との関係性など)を参照

問6

【】に当てはまる用語を答えよ。

単糖は有しているヒドロキシ基の数が非常に【1(多or少な)】い。
したがって、このヒドロキシ基が水分子と【2】を形成することができるので、水に非常に良く溶ける。
【問6】解答/解説:タップで表示
解答:【1】多【2】水素結合

単糖中には多くのヒドロキシ基が存在する。

したがって、このヒドロキシ基が水分子と水素結合を形成することで、水に良く溶ける。

※単糖類について詳しくは単糖類(分類・構造・性質・二糖や多糖との関係性など)を参照

問7

【】に当てはまる用語を答えよ。

単糖は分子内に不斉炭素原子をもつため【1】性を示す。
【問7】解答/解説:タップで表示
解答:【1】光学活

単糖は、分子内に不斉炭素をもつため光学活性を示す。

※単糖類について詳しくは単糖類(分類・構造・性質・二糖や多糖との関係性など)を参照

問8

【】に当てはまる用語を答えよ。

グルコースとガラクトースは水溶液中で鎖状の【1】型の構造をとることができる。
したがって、【1】がもつ還元性を有している。一方、フルクトースは水溶液中で鎖状の【2】型の構造を示す。
フルクトースのように【2】基の隣にヒドロキシ基の付いた炭素をもつ化合物を【3】と呼ぶ。
【3】は変形して【1】になることができるため還元性を示す。
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解答:【1】アルデヒド【2】ケトン【3】α-ヒドロキシケトン

アルドースの一種であるグルコースとガラクトースは、水溶液中で「鎖状のアルデヒド型」の構造をとることができる。したがって、アルデヒドがもつ還元性を有している。

フルクトースのケトン基は、隣に炭素にヒドロキシ基がくっついた構造をもっている。

この構造をもっていると、次のような反応を起こし、アルドース同様還元性を示すことができる。

このような、ケトン基の隣にヒドロキシ基の付いた炭素をもつケトンを「α-ヒドロキシケトン」と呼ぶ。

※単糖類について詳しくは単糖類(分類・構造・性質・二糖や多糖との関係性など)を参照

問9

【】に当てはまる用語を答えよ。

ヘミアセタールOHは、普通のOHと比較して反応性が【1(高or低)】いため、
容易に他のOHと縮合を起こす。このような反応によって形成されるエーテル結合を【2】という。
【問9】解答/解説:タップで表示
解答:【1】高【2】グリコシド結合

α型及びβ型に存在するヘミアセタールOHは、普通のOHに比べ反応性が高いため、下に示すように容易に他のOHと縮合を起こす。

結果、2つの単糖がくっついて二糖になる。
ちなみに、このような反応によって形成されるエーテル結合を「グリコシド結合」という。

※単糖類について詳しくは単糖類(分類・構造・性質・二糖や多糖との関係性など)を参照

問10

【】に当てはまる用語を答えよ。

微生物がO2分子なしで糖類を分解することを【1】という。
例えば、乳酸菌によってブドウ糖などは多くの段階を経て分解され、最終的に【2】となる。
【問10】解答/解説:タップで表示
解答:【1】発酵【2】乳酸

乳酸菌によってブドウ糖などは多くの段階を経て分解され最終的に乳酸となる。乳酸菌はこのような分解を行って生命活動に必要なエネルギーを得る。

※単糖類について詳しくは単糖類(分類・構造・性質・二糖や多糖との関係性など)を参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

著者紹介詳細