【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

濃度不明のシュウ酸水溶液の濃度を求めるために過マンガン酸カリウム水溶液による滴定を行った。濃度不明のシュウ酸水溶液を【1】を用いて量りとり、【2】に移した。これに硫酸を加えて硫酸酸性にしたのち、濃度既知の過マンガン酸カリウム水溶液を【3】に入れて徐々に滴下していった。完全に反応が終わったとき、【2】中にある溶液は【4】色になっていた。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ホールピペット【2】三角フラスコ(コニカルビーカー)【3】ビュレット【4】赤

※酸化還元滴定について詳しくは酸化還元滴定(実験・計算問題・指示薬・硫酸酸性にする理由など)を参照

問2

硫酸酸性で濃度未知のシュウ酸水溶液500(ml)に0.50(mol/L)の過マンガン酸カリウム水溶液を滴下していく。200(ml)滴下したところで、色が赤紫色から変化しなくなった。このときのシュウ酸水溶液の濃度(mol/L)を求めよ。(有効数字2桁で解答)
【問2】解答/解説:タップで表示
解答:0.50(mol/L)
STEP1 2つの半反応式から反応式を作成する
STEP2 「酸化剤が受け取るe(mol)= 還元剤が放出するe(mol)」を利用し未知の濃度を求める
Point!

STEP1

2つの半反応式から反応式をつくる。

まず、過マンガン酸カリウムKMnO4とシュウ酸H2C2O4半反応式から酸化還元反応式をつくる。

※作り方がわからなかったら半反応式・酸化還元反応式(作り方・覚え方・問題演習など)を参照

STEP2

酸化剤が受け取るe(mol)=還元剤が出すe(mol)を使用し、濃度(mol/L)を求める

酸化還元反応では、還元剤の出した電子eを酸化剤がそのまま受け取るので、以下の式が成り立つ。

酸化剤が受け取るe(mol)= 還元剤が放出するe(mol)
Point!

したがって、今回の場合、次の式をつくることができる。

\[
\underbrace{ 0.50(mol/L) × \frac{ 200 }{ 1000 }(L) }
_{ KMnO_{4}\text{ のmol }}
× 5
=
\underbrace{ x(mol/L) × \frac{ 500 }{ 1000 }(L) }
_{ H_{2}C_{2}O_{4}\text{ のmol }}
× 2 \\
↔︎ x=0.50(mol/L)
\]

KMnO4とH2C2O4半反応式より、KMnO41molが受け取るeは5mol、H2C2O41molから出るeは2molなので、左辺に5、右辺に2をかけていることに注意しよう。

※酸化還元滴定について詳しくは酸化還元滴定(実験・計算問題・指示薬・硫酸酸性にする理由など)を参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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