酸化還元滴定【高校化学・化学基礎一問一答】

目次

はじめに

【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答問題を公開しています。問題一覧は【スマホで出来る】一問一答(高校化学・化学基礎)でご覧下さい。


問1

硫酸酸性で濃度未知のシュウ酸水溶液500(ml)に0.50(mol/L)の過マンガン酸カリウム水溶液を滴下していく。200(ml)滴下したところで、色が赤紫色から変化しなくなった。このときのシュウ酸水溶液の濃度(mol/L)を求めよ(有効数字2桁で解答)。

解答/解説:タップで表示

解答:0.50mol/L

●STEP1
2つの半反応式から反応式を作成する。
●STEP2
「酸化剤が受け取るe(mol)= 還元剤が放出するe(mol)」を利用し、未知の濃度を求める。

STEP
2つの半反応式から反応式を作成する。

まず、過マンガン酸カリウムKMnO4とシュウ酸H2C2O4半反応式から酸化還元反応式をつくる。

半反応式から酸化還元反応式をつくる方法については次のページを参照のこと。

参考:半反応式・酸化還元反応式(作り方・覚え方・問題演習など)

STEP
「酸化剤が受け取るe(mol)= 還元剤が放出するe(mol)」を利用し、未知の濃度を求める。

酸化還元反応では、還元剤の出した電子eを酸化剤がそのまま受け取るので、次の式が成り立つ。

\[ \mathrm{酸化剤が受け取るe^{ー}(mol)= 還元剤が放出するe^{ー}(mol) }\]

したがって、今回の場合、次の式をつくることができる。

\[ \underbrace{ 0.50\mathrm{(\mathrm{mol/L})} × \frac{ 200 }{ 1000 }\mathrm{(L)} }
_{ \mathrm{KMnO_{4}}\text{ のmol }}
× 5
=
\underbrace{ x(\mathrm{mol/L}) × \frac{ 500 }{ 1000 }(\mathrm{L}) }
_{ \mathrm{H_{2}C_{2}O_{4}}\text{ のmol }}
× 2 \\
↔︎ x=0.50(\mathrm{mol/L}) \]

KMnO4とH2C2O4半反応式より、KMnO41molが受け取るeは5mol、H2C2O41molから出るeは2molなので、左辺に5、右辺に2をかけていることに注意しよう。

参考:酸化還元滴定(実験・計算問題・指示薬・硫酸酸性にする理由など)

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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