【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

α-グルコース2分子が1位と4位のヒドロキシ基で縮合してできた二糖を【1】という。
このとき、縮合することで作られたエーテル結合を【2】という。
また、【1】の右端には【3】と呼ばれる構造が存在する。【3】により【1】は【4】性を示す。
【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】マルトース(麦芽糖)【2】グリコシド結合(α-1,4-グリコシド結合)【3】ヘミアセタール構造【4】還元

α-グルコース2分子が1位と4位のヒドロキシ基(-OH)で縮合してできた二糖をマルトース(麦芽糖)という。

このとき、縮合することで作られたエーテル結合(-O-)をグリコシド結合(α-1,4-グリコシド結合)という。
また、マルトースの右端にはヘミアセタール構造と呼ばれる構造が存在する。

このヘミアセタール構造があることでマルトースは還元性を示す。

※二糖類について詳しくは二糖類(マルトース/スクロースなどの還元性・構造式・結合・覚え方など)を参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

β-グルコース2分子のうち、一方の分子を180°回転させた状態(裏返した状態)で1位と4位のヒドロキシ基が縮合してできた二糖を【1】という。
【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】セロビオース

β-グルコース2分子のうち、一方の分子を180°回転させた状態(裏返した状態)で1位と4位の-OHが縮合してできた二糖をセロビオースという。

このとき生じたエーテル結合をグリコシド結合(β-1,4-グリコシド結合)という。
また、ヘミアセタール構造をもつため、還元性を示す。

※二糖類について詳しくは二糖類(マルトース/スクロースなどの還元性・構造式・結合・覚え方など)を参照

問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

β-ガラクトース(表)の1位のヒドロキシ基とβ-グルコース(裏)の4位のヒドロキシ基が縮合してできた二糖を【1】という。
【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ラクトース(乳糖)

β-ガラクトース(表)の1位の-OHとβ-グルコース(裏)の4位の-OHが縮合してできた二糖をラクトース(乳糖)という。

ラクトースもマルトース・セロビオース同様、グリコシド結合(β-1,4-グリコシド結合)とヘミアセタール構造が存在する。

※二糖類について詳しくは二糖類(マルトース/スクロースなどの還元性・構造式・結合・覚え方など)を参照

問4

【】に当てはまる用語を答えよ。

α-グルコース(表)の1位のヒドロキシ基とβ-フルクトース(裏)の2位のヒドロキシ基が縮合してできた二糖を【1】という。
【1】を加水分解したときに生成するグルコースとフルクトースの1:1の混合物を【2】という。
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解答:【1】スクロース(ショ糖)【2】転化糖

α-グルコース(表)の1位の-OHとβ-フルクトース(裏)の2位の-OHが縮合してできた二糖をスクロース(ショ糖)という。

スクロースは、フルクトースの2位にあるヒドロキシ基を縮合に使ってしまっており、ヘミアセタール構造をもたない。
したがって、(マルトースやラクトースと異なり)還元性は示さない。

※スクロースを加水分解した際に生じるグルコースとフルクトースの1:1の混合物を転化糖という。

※二糖類について詳しくは二糖類(マルトース/スクロースなどの還元性・構造式・結合・覚え方など)を参照

問5

【】に当てはまる用語を答えよ。

α-グルコース(表)の1位のヒドロキシ基とα-グルコース(表)の6位のヒドロキシ基が縮合してできた二糖を【1】という。
また、α-グルコース(表)の1位のヒドロキシ基とα-グルコース(表)の1位のヒドロキシ基が縮合してできた二糖を【2】という。
【1】と【2】のうち、還元性をもつのは【3】である。
【問5】解答/解説:タップで表示
解答:【1】イソマルトース【2】トレハロース【3】イソマルトース

α-グルコース(表)の1位の-OHとα-グルコース(表)の6位の-OHが縮合してできた二糖をイソマルトースという。

イソマルトースは、ヘミアセタール構造をもつため、還元性を示す。

α-グルコース(表)の1位の-OHとα-グルコース(表)の1位の-OHが縮合してできた二糖をトレハロースという。

このとき、2つのグルコースのヘミアセタール構造が縮合に使われてしまっているため、水溶液中でアルデヒド基(-CHO)に変化できる構造が存在しない。したがって、トレハロースは還元性を示さない。

※二糖類について詳しくは二糖類(マルトース/スクロースなどの還元性・構造式・結合・覚え方など)を参照

問6

【】に当てはまる用語を答えよ。

二糖類は、炭素数に対するヒドロキシ基の比率が【1(高or低)】いので水によく溶ける。
【問6】解答/解説:タップで表示
解答:【1】高

単糖類と同じように、炭素数に対する-OHの数の比率が高い(炭素数12に対して-OH8コ)ので水によく溶ける。

※二糖類について詳しくは二糖類(マルトース/スクロースなどの還元性・構造式・結合・覚え方など)を参照

問7

【】に当てはまる用語を答えよ。

多くの二糖類は、水溶液中において、縮合に使われずに残った【1】構造が存在するため、一部鎖状の【2】型構造を取ることができる。
したがって、【3】反応や【4】反応を示す。
【問7】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ヘミアセタール【2】アルデヒド【3】フェーリング【4】銀鏡(【3】・【4】は順不同)

水溶液中では、縮合に使われずに残ったヘミアセタール構造が存在するため、一部鎖状のアルデヒド型構造を取ることができる。

この結果、二糖類はフェーリング反応銀鏡反応を示す。(ヘミアセタール構造をもたないスクロース・トレハロースは例外)

※二糖類について詳しくは二糖類(マルトース/スクロースなどの還元性・構造式・結合・覚え方など)を参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

著者紹介詳細