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有機化合物の表記法〜分子式・示性式・構造式〜
目次
はじめに
【プロ講師解説】このページでは『有機化合物の表記法〜分子式・示性式・構造式〜』について解説しています。
分子式
- 分子を構成している原子の種類とその数を表した式を分子式という。
- 例えばエタノールでは、炭素C原子が2個のためC2、水素H原子が6個のためH6、酸素O原子が1個のためO(1は省略)、これらを合わせて「C2H6O」となる。
構造式
- 原子間の結合を価標を用いて表した式を構造式という。
- 例えば、エタノールでは次のようになる。
- 構造式中にある価標は(あるルールの下)省略して表すことができる。
- 詳しくは次の「構造式の省略」のところで説明する。
構造式の省略
- 構造式は一部分を省略した「簡略構造式」として表すことがある。
- 代表的な省略パターンを3つ紹介する。
●構造式の省略パターン
- 水素H原子の単結合を省略する
- ❶に加え、不飽和結合(C=C)や枝分かれの価標以外を省略する
- ❶❷に加え、枝分かれを省略する
- 例として次の構造式を用いる。
❶ 水素H原子の単結合を省略する
- まずは、H原子の単結合を省略する。
❷ ❶に加え、不飽和結合(C=C)や枝分かれの価標以外を省略する
- 次に、パターン①に加えて不飽和結合(C=C)や枝分かれの価標以外を省略する。
❸ ❶❷に加え、枝分かれを省略する
- 最後は、パターン①②に加えて枝分かれの価標を省略する(つまり、C=C結合以外は省略するということ!)。
- 枝分かれは、()を使うことで表現する。
- ちなみに、ここまで省略した式からでも全体の構造はしっかりとイメージできるようにしておこう。
構造式を書く際の注意点
- 構造式を書く際の注意点を紹介する。
反対向きの表記でも可
- 官能基を書くときは逆向きの表記でも問題ない。
アルファベットの表記順に注意
- 官能基を省略形で書くときは、並べる”アルファベットの順番”に注意する必要がある。
- 例えば、アルデヒド基はCとOとHで成り立っているが、「COH」という表記はNGである。省略するときは「CHO」という書き方にする。