電離平衡【高校化学・化学基礎一問一答】

目次

はじめに

【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答問題を公開しています。問題一覧は【スマホで出来る】一問一答(高校化学・化学基礎)でご覧下さい。


問1

電離による平衡状態を【1】といい、そのときの平衡定数を【2】という。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】電離平衡【2】電離定数

電離による平衡状態を電離平衡といい、そのときの平衡定数を電離定数という。

参考:電離平衡(公式の導出・例・pHが絡む計算問題の解き方など)

問2

次の問いに答えよ。ただし、酢酸・アンモニアの電離度はどちらも0.010、水のイオン積([H][OH])は1.0×10ー14、log102=0.3とする。

(1)0.20mol/Lの酢酸水溶液の電離定数Ka、水素イオン濃度[H]、pHを求めよ。
(2)0.10mol/Lのアンモニア水溶液の電離定数Kb、水酸化物イオン濃度[OH]、pHを求めよ。

解答/解説:タップで表示

解答:以下参照

(1)

まずは電離定数Kaから求める。問題文に酢酸の電離度は0.010と書いてあるので、上で紹介した【公式1】を用いると、次のようにKaを求めることができる。

\[ \begin{align}
K_{a}&=cα^{2}\\
&=0.20×(0.010)^{2}\\
&=2.0×10^{-5}
\end{align} \]

次に、公式3を使って水素イオン濃度[H]を求める。

\[ \begin{align}
[\mathrm{H^{+}}]&=\sqrt{ cK_{a} }\\
&=\sqrt{ 0.20×2.0×10^{-5} }\\
&=2.0×10^{-3}
\end{align} \]

(ちなみにこの場合は[H]=cαを使っても求めることができる)

最後に【pH計算】定義から公式、求め方、希釈や混合が絡む問題などで紹介した公式を用いてpHを求める。

\[ \begin{align}
\mathrm{pH}&\mathrm{=-log_{10}[H^{+}]}\\
&\mathrm{=-log_{10}(2.0×10^{-3})}\\
&=2.7
\end{align} \]

(2)

まずは電離定数Kbから求める。問題文にアンモニアの電離度は0.010と書いてあるので、上でやった【公式1】を用いると、次のようにKbを求めることができる。

\[ \begin{align}
K_{b}&=cα^{2}\\
&=0.10×(0.010)^{2}\\
&=1.0×10^{-5}
\end{align} \]

次に公式3を使って水酸化物イオン濃度[OH]を求める。

\[ \begin{align}
[\mathrm{OH^{-}}]&=\sqrt{ cK_{b} }\\
&=\sqrt{ 0.10×1.0×10^{-5} }\\
&=1.0×10^{-3}
\end{align} \]

最後にpHを求める。pHを求めるためにまずは問題文にある[H][OH]=1.0×10ー14の関係を用いて[H]を導く。

\[ \mathrm{[H^{+}][OH^{-}]}=1.0×10^{-14}\\
\begin{align}
↔︎\mathrm{[H^{+}]}&=\frac{ 1.0×10^{-14} }{ \mathrm{[OH^{-}]} }\\
&=\frac{ 1.0×10^{-14} }{ 1.0×10^{-3} }\\
&=1.0×10^{-11}
\end{align} \]

この[H]を【pH計算】定義から公式、求め方、希釈や混合が絡む問題などで紹介した公式に当てはめることでpHを求める。

\[ \begin{align}
\mathrm{pH}&\mathrm{=-log_{10}[H^{+}]}\\
&\mathrm{=-log_{10}(1.0×10^{-11})}\\
&=11
\end{align} \]

参考:電離平衡(公式の導出・例・pHが絡む計算問題の解き方など)

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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