【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

濃硫酸H2SO4の工業的製法を【1】という。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】接触法

※接触法の反応式について詳しくは接触法(濃硫酸の工業的製法・仕組み・反応式・触媒など)を参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

接触法では、まず硫黄Sを含む化合物を燃焼させ【1】を得る。次に、【1】を空気中の酸素O2により酸化させ【2】を得る。この反応は【3】が非常に高く、反応の進行が遅いため触媒として【4】を用いる。最後に、【2】を水H2Oと反応させ【5】を得る。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】二酸化硫黄SO2【2】三酸化硫黄SO3【3】活性化エネルギー【4】酸化バナジウム(Ⅴ)V2O5【5】濃硫酸H2SO4

まずは、硫黄S又は黄鉄鉱FeS2を燃焼させることで二酸化硫黄SO2を得る。

\[
S + O_{2} → SO_{2}
\]
\[
4FeS_{2} + 11O_{2} → 2Fe_{2}O_{3} + 8SO_{2}
\]

次に、STEP1で得たSO2を空気中のO2によって酸化させることで三酸化硫黄SO3を得る。

\[
2SO_{2}+O_{2} \overset{酸化バナジウム(Ⅴ)V_{2}O_{5}}{→} 2SO_{3}
\]

最後に、STEP2で得たSO3を濃硫酸に溶かして発煙硫酸とし、そこに希硫酸を加えることで濃硫酸を得る。(発煙硫酸中のSO3と希硫酸中のH2Oが反応する)

\[
SO_{3} + H_{2}O → H_{2}SO_{4}
\]

※接触法の反応式について詳しくは接触法(濃硫酸の工業的製法・仕組み・反応式・触媒など)を参照

問3

接触法の第一段階(硫黄→二酸化硫黄)、第二段階(二酸化硫黄→三酸化硫黄)、第三段階(三酸化硫黄→濃硫酸)、全体の反応式をそれぞれ書け。
【問3】解答/解説:タップで表示
解答:以下参照

STEP1~STEP3の反応式は次の通り。

\[
【STEP1】4FeS_{2} + 11O_{2} → 2Fe_{2}O_{3} + 8SO_{2}\\
【STEP2】2SO_{2} + O_{2} → 2SO_{3}\\
【STEP3】SO_{3} + H_{2}O → H_{2}SO_{4}
\]

ここで、中間生成物(一連の反応の中で生成し消えるもの)が消えるように係数を調整して…

\[
4FeS_{2} + 15O_{2} + 8H_{2}O → 2Fe_{2}O_{3} + 8H_{2}SO_{4}
\]

これが接触法の全体式である。

※接触法の反応式について詳しくは接触法(濃硫酸の工業的製法・仕組み・反応式・触媒など)を参照
※活性化エネルギーについて詳しくは活性化エネルギーと反応熱を参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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