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ニトロセルロースとアセチルセルロース(合成法/作り方や構造、用途など)
目次
はじめに
【プロ講師解説】このページでは『ニトロセルロースとアセチルセルロース(合成法/作り方や構造、用途など)』について解説しています。
ニトロセルロース
- ニトロセルロースのつくり方、構造、用途などを解説する。
ニトロセルロースの作り方/構造
- セルロースと混酸(濃硝酸+濃硫酸)を反応させると、セルロースのもつヒドロキシ基(-OH)の一部または全部が-O-NO2に変化して(ニトロ化され)、ニトロセルロース(硝酸セルロース)とよばれる硝酸エステルができる。
\[\begin{align}
&\mathrm{ [C_{6}H_{7}O_{2}(OH)_{3}]_{n}+3nHNO_{3} }\\
&\mathrm{→[C_{6}H_{7}O_{2}(ONO_{2})_{3}]_{n}+3nH_{2}O }
\end{align}\]
- ニトロセルロースのうち、-OH3つが-O-NO2に変化したものをトリニトロセルロース、-OH2つが-O-NO2に変化したものをジニトロセルロースという。
ニトロセルロースの用途
- ニトロセルロースのうち、トリニトロセルロースは綿火薬の原料として、ジニトロセルロースはセルロイドや半透膜の一種であるコロジオン膜の原料として用いられる。
ニトロセルロース | 用途 |
---|---|
トリニトロセルロース | 綿火薬の原料 |
ジニトロセルロース | セルロイド、コロジオン膜(半透膜の一種)の原料 |
アセチルセルロース
- アセチルセルロースのつくり方、構造、用途などを解説する。
アセチルセルロースの作り方/構造
- セルロースを無水酢酸と少量の濃硫酸などと反応させると、-OHが-OCOCH3に変化して(アセチル化され)、トリアセチルセルロースができる。
\[ \begin{align}
&\mathrm{[C_{6}H_{7}O_{2}(OH)_{3}]_{n}+3n(CH_{3}CO)_{2}O} \\
&\mathrm{→[C_{6}H_{7}O_{2}(OCOCH_{3})_{3}]_{n}+3nCH_{3}COOH }
\end{align}\]
- 次に、トリアセチルセルロースを一部だけ加水分解すると、ジアセチルセルロースができる。
\[ \begin{align}&\mathrm{[C_{6}H_{7}O_{2}(OCOCH_{3})_{3}]_{n}+nH_{2}O }\\
&\mathrm{→[C_{6}H_{7}O_{2}(OH)(OCOCH_{3})_{2}]_{n}+nCH_{3}COOH }\end{align}\]
アセチルセルロースの用途
- アセチルセルロースのうち、トリアセチルセルロースは写真のフィルムとして、ジアセチルセルロースはアセテート繊維として用いられる。
アセチルセルロース | 用途 |
---|---|
トリアセチルセルロース | 写真のフィルム |
ジアセチルセルロース | アセテート繊維 |