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六方最密構造【高校化学・化学基礎一問一答】
次のような構造を【1】という。
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六方最密構造に含まれる原子の数は【1】個である。
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解答:【1】2
もう一度、六方最密構造の図を確認する。
六方最密構造はこの構造だが、六方最密構造の「単位格子(最小単位)」はこの構造の1/3である。
したがって、六方最密構造の単位格子に含まれる原子の数を答えるときは、六方最密構造中の1/3に注目して考える必要がある。まず、六方最密構造を上から見た図を確認する。
六方最密構造を上から見ると「正六角形」であり、したがって、1つの角度は120°である。
先ほどから述べているように、六方最密構造の単位格子は六角柱の1/3の部分のため、上からの図で考えると…
このようになる。平行四辺形の4つの角のうち、2つの角が120°を半分にした60°になっていることに注意しよう。ここで、もう一度全体の図を見る。
角度が120°の割球(1/6の割球)と60°の割球(1/12の割球)は4個ずつ存在しているのがわかる(上の面に2個ずつ、下の面に2個ずつ)。
これらの割球と、サイドに存在している「合わせて1個」の割球を考慮すると、六方最密構造の単位格子に含まれる原子の数は2個となる。
\[
\frac{ 1 }{ 12 }×4+\frac{ 1 }{ 6 }×4+1=2
\]
六方最密構造の配位数は【1】である。
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解答:【1】12
1個の原子を取り囲む他の粒子の数を配位数という。
六方最密構造の中には「丸ごと1個」の状態で存在する原子がないため、2つの六方最密構造を重ねあわせて考える。
2つの六方最密構造を重ねあわせると、真ん中が「丸ごと1個」の原子になる。したがって、この原子に隣接する原子の数を数えれば良い。
六方最密構造の配位数は12である。
六方最密構造の高さと原子半径rの関係は次の通りである。
\[ \mathrm{六方最密構造の高さ=\frac{ 【1】\sqrt{ 6 }r }{ 3 }} \]
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解答:【1】4
六方最密構造の高さの求め方と原子半径について解説する。
六方最密構造の高さとして、次の赤矢印の部分を測定する。
この長さを一気に測るのは大変なので「半分の長さを測って2倍する」という方針でいく。
次に、六方最密構造から高さを求めるために必要な部分を取り出し、形を確認する。
それぞれの原子にA〜Dの記号をふる。また、垂線を降ろした先は点Hとする。
\[
\begin{align}
&(2r)^{2}=(\mathrm{DM})^{2}+r^{2}\\
&\leftrightarrow \mathrm{DM}=\sqrt{ 3 }r
\end{align}
\]
CDの長さは2r、MCの長さはr(rは原子半径)のため、三平方の定理よりDとBCの中点Mの距離は√3rとなる。
正四面体の垂線の足であるHはこの立方体の“重心”である。
したがって、HはDMを2:1に内分する点のため(この辺は数学の知識)先ほどSTEP4で求めたDMの長さの2/3がDHの長さとなる。
DM=√3rで、HはDMを2:1に内分する点のため…
\[
\begin{align}
\mathrm{DH} &=\sqrt{ 3 }r×\frac{ 2 }{ 2+1 }\\
&=\frac{ 2\sqrt{ 3 }r }{ 3 }
\end{align}
\]
STEP5で求めたDHの長さを使って、AHの長さを求める。
\[
\begin{align}
&(2r)^{2}=(\mathrm{AH})^{2}+(\frac{ 2\sqrt{ 3 }r }{ 3 })^{2}\\
&\leftrightarrow \mathrm{AH}=\frac{ 2\sqrt{ 6 }r }{ 3 }
\end{align}
\]
AHの長さの2倍が六方最密構造全体の高さのため、この値を2倍する。
\[
\begin{align}
六方最密構造の高さ&=\underbrace{ \frac{ 2\sqrt{ 6 }r }{ 3 } }_{ \mathrm{AH}の長さ }×2\\
&=\frac{ 4\sqrt{ 6 }r }{ 3 }
\end{align}
\]
六方最密構造の充填率は【1】%である。
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解答:【1】74
単位格子の体積に占める原子の体積の割合を充填率という。
\[
充填率=\frac{ 原子の体積 }{ 単位格子の体積 }×100
\]
六方最密構造の充填率は3STEPで求める。
六方最密構造の充填率を求めるために、まずは六方最密構造の上層(下層)の表面積を求める。
六方最密構造の上層(下層)は正六角形であるため、次のように6個の正三角形に分けることができる。
この6個の三角形のうち1個の三角形の面積を求め、それを6倍することで上層(下層)の面積を求めることができる。
1つの三角形の高さ
\[
\begin{align}
&(2r)^{2}=r^{2}+(高さ)^{2}\\
&\leftrightarrow 高さ=\sqrt{ 3 }r
\end{align}
\]
1つの三角形の面積
\[
\begin{align}
&2r×\sqrt{ 3 }r×\frac{ 1 }{ 2 }\\
&=\sqrt{ 3 }r^{2}
\end{align}
\]
六角形の面積
\[
\begin{align}
&\sqrt{ 3 }r^{2}×6\\
&=6\sqrt{ 3 }r^{2}
\end{align}
\]
次に、STEP1で求めた面積に六方最密構造の高さをかけることで六方最密構造の体積を出す。
\[
\begin{align}
6\sqrt{ 3 }r^{2}×\underbrace{ \frac{ 4\sqrt{ 6 }r }{ 3 } }_{ 高さ }\\
=24\sqrt{ 2 }r^{3}
\end{align}
\]
六方最密構造の体積は24√2r3となる(高さの求め方については上の「六方最密構造の高さの求め方と原子半径」を参照)。
最後に、公式を使って六方最密構造の充填率を求める。
\[
\begin{align}
充填率&=\frac{ 原子の体積 }{ 最密構造の体積 }×100\\
&=\frac{ \frac{ 4 }{ 3 }πr^{3}×6 }{ 24\sqrt{ 2 }r^{3} }×100\\
&=74(\%)
\end{align}
\]
最密構造の体積に関してはSTEP2で求めた値を使う。
また、球の体積は4/3πr3と表すことができる(これは数学の知識)ため、六方最密構造中に6個の原子が含まれる(上でやったように六方最密構造の1/3である単位格子中に含まれる原子の数が2個のため六方最密構造全体に含まれる原子の数は3倍の6個)ことを考えると、原子の体積の合計は4/3πr3×6となる。
以上より、六方最密構造の充填率は74%である。