【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

3〜11族の元素を【1】といい、全て【2(金属or非金属)】元素である。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】遷移元素【2】金属

周期表上で3〜11族の元素を遷移元素という。

※遷移元素について詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

銀の単体は数ある金属元素の中で【1】が最大である。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】電気陰性度

銀Agは、金属単体の中で熱・電気伝導性が最大である。

※電気陰性度について詳しくは電気陰性度(表・覚え方・一覧・電子親和力との関係など)を参照
※銀について詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

銀イオンAg+に少量の塩基を加えると【1】の褐色沈殿が生成する。また、【1】に過剰のNH3aqを反応させると錯イオンである【2】が生成する。

【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】酸化銀Ag2O【2】[Ag(NH3)2+

銀Agの酸化物に過剰のNH3aqを反応させると、錯イオンが生成する。

\[
Ag_{2}O(褐色)\overset{過剰のNH_{3}aq}{→} [Ag(NH_{3})_{2}]^{+}
\]

※錯イオンについて詳しくは【錯イオン】色・配位数・形・価数・命名法を総まとめを参照
※銀について詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問4

【】に当てはまる用語を答えよ。

硝酸銀AgNO3水溶液は光で分解するため【1】に入れて保存する。

【問4】解答/解説:タップで表示
解答:【1】褐色ビン

AgNO3水溶液は光で分解してしまうため褐色ビンに入れて保存する。

※化学物質の保存法について詳しくは化合物の保存・取り扱い方法を参照
※銀について詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問5

【】に当てはまる用語を答えよ。

金・白金の単体はイオン化傾向が非常に【1(大きor小さ)】く化学的に安定である。したがって、【2】(濃HNO3:濃HCl=1:3)でしか溶かすことができない。

【問5】解答/解説:タップで表示
解答:【1】小さ【2】王水

金Auや白金Ptの単体は、イオン化傾向が非常に小さく、化学的に安定である。

したがって、王水(濃HNO3:濃HCl=1:3)でしか溶かすことができない。

※金・白金について詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問6

【】に当てはまる用語を答えよ。

白金は【1】法の第一段階で用いられる。

【問6】解答/解説:タップで表示
解答:【1】オストワルト

白金は工業用の触媒として使われるケースが多い。
特にオストワルト法の第一段階で利用されていることは頻出である。

※オストワルト法について詳しくは硝酸の工業的製法「オストワルト法」(触媒・覚え方・仕組み・反応式など)を参照
※白金について詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問7

【】に当てはまる用語を答えよ。

クロムの単体は【1】を作りやすく濃硝酸で溶かすことができない。

【問7】解答/解説:タップで表示
解答:【1】不動態

クロムの単体は、不動態を作りやすく濃硝酸で溶かすことができない。

※不動態について詳しくは不動態(覚え方・ゴロ・原理など)を参照
※クロムについて詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問8

【】に当てはまる用語を答えよ。

【1】は鉄FeとクロムCrとニッケルNiの合金であり、非常にさびにくくキッチンなどに利用されている。

【問8】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ステンレス鋼

クロムを含む合金としてステンレス鋼というものが知られている。
この合金は、鉄FeとクロムCrとニッケルNiからできており非常にさびにくく、キッチンなどに利用されている。

※合金について詳しくはめっき・合金一覧を参照
※クロムについて詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問9

【】に当てはまる用語を答えよ。

K2CrO4は【1】色の結晶で、水溶液の色(=K2CrO4が電離して発生したCrO42-の色)は【2】色である。
対して、K2Cr2O7は【3】色の結晶で、水溶液の色(=K2Cr2O7が電離して発生したCr2O72-の色)は【4】色である。

【問9】解答/解説:タップで表示
解答:【1】黄【2】黄【3】赤橙【4】赤橙

クロム酸カリウムK2CrO4

・黄色の結晶
・水溶液の色(CrO42-の色)も黄色
Point!

クロム酸カリウムK2CrO4に関して、上のポイントを押さえておこう。
K2CrO4は黄色の結晶で、水溶液の色(=K2CrO4が電離して発生したCrO42-の色)も黄色である。

二クロム酸カリウムK2Cr2O7

・赤橙色の結晶
・水溶液の色(Cr2O72-の色)も赤橙色
Point!

K2Cr2O7は赤橙色の結晶で、水溶液の色(=K2Cr2O7が電離して発生したCr2O72-の色)も赤橙色である。

※クロムについて詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問10

【】に当てはまる用語を答えよ。

K2Cr2O7は強力な【1(酸化or還元)】剤として働く。

Cr2O72- + 14H+ + 6e → 2Cr3+ + 7H2O

Cr2O72-は【2】色であるのに対し、このとき生成するCr3+の色は【3】である。

【問10】解答/解説:タップで表示
解答:【1】酸化【2】赤橙【3】緑

K2Cr2O7は強力な酸化剤として働く。

\[
Cr_{2}O_{7}^{2-}(赤橙) + 14H^{+} + 6e^{-} → 2Cr^{3+}(緑) + 7H_{2}O
\]

Cr2O72-は赤橙色であるのに対し、このとき生成するCr3+は緑色である。

ちなみにこのイオン反応式は”半反応式”と呼ばれるもので半反応式・酸化還元反応式(作り方・覚え方・問題演習など)のページにある手順に従って作ることができる。まだ知らなかったら確認しておこう。

※クロムについて詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問11

【】に当てはまる用語を答えよ。

過マンガン酸カリウムKMnO4の水溶液は【1】色で、強力な【2(酸化or還元)】剤として働く。また、酸性下では淡桃色(薄ピンク色)の【3】になるのに対して、中性・塩基性下では黒色の【4】が生成する。

【問11】解答/解説:タップで表示
解答:【1】赤紫【2】酸化【3】Mn2+【4】MnO2

過マンガン酸カリウムKMnO4の水溶液は赤紫色で、強力な酸化剤として働く。

ただし、酸性下では淡桃色(薄ピンク色)のMn2+になるのに対して、中性・塩基性下では黒色のMnO2が生成する。

\[
酸性下:MnO_{4}^{-} + 8H^{+} + 5e^{-} → Mn^{2+} + 4H_{2}O\\
塩基性下:MnO_{4}^{-} + 4H^{+} + 3e^{-} → MnO_{2} + 2H_{2}O
\]

※マンガンについて詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

問12

【】に当てはまる用語を答えよ。

酸化マンガンは【1】として過酸化水素H2O2や塩素酸カリウムKClO3の分解を促進し、O2を発生させる。

【問12】解答/解説:タップで表示
解答:【1】触媒

酸化マンガンは、”触媒”として過酸化水素H2O2や塩素酸カリウムKClO3の分解を促進し、O2を発生させる。

\[
2H_{2}O_{2} → O_{2} + 2H_{2}O\\
2KClO_{3} → 3O_{2} + 2KCl
\]

※これらの反応含め、気体の製法については覚えておく必要がある。
詳しくは気体の製法(反応式・原理・注意事項など)を参照
※マンガンについて詳しくは遷移元素「銀・金・白金・クロム・マンガン・コバルト・チタン」の単体・化合物の性質や製法などを参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

著者紹介詳細