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化学計算と単位
【プロ講師解説】このページでは『化学計算と単位』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
化学計算への苦手意識
化学計算。
苦手としている人は多いだろう。
だいたいの人はここでつまずいて、化学に苦手意識をもってしまう。
そもそも、化学での計算ができない人の多くは、(高校生だったときの自分を含め、)数字を見せられても何をしたらいいかわからない、どこから手をつけていいか、結局なに出したら答えなのかわからないっていう感じじゃないかな。
密度だの濃度だのmolだの体積だの圧力だの物質量だの…..もうだまれーーーーーーーーーってなるよね。笑
ただし、実はこれ、一瞬で解決するとても簡単なことなんだ。
少なくともボクは、これから説明することを初めて聞いたとき凄まじく感動して、いままで苦労してたのはなんだったんだろうって気持ちになった。
化学で計算に悩んでる人はぜひこのあとの説明を見ていってほしい。
キミも、今まで計算に悩んでいたのがばからしくなってくるはずだ。
単位の重要性
単位。
これこそが、化学計算に取り組む上で最も大切となるものだ。
まずは、この「単位」というものがいったい何者なのかという所から説明していこう。
単位とは、「ある数値が何を表しているか、どういう意味をもっているのか」を示すものだ。
例を出そう。
10という数字があったとする。
これに[L]という単位を付ける。
すると……10[L]となるね。
単なる10という数字に単位[L]が付くことによって、この10という数字は「体積」のことですよという意味付けができるわけだ。
じゃあこれはどうだろう。
10[コ/箱]
「コ/箱」ってのはと同じ。分数をちょっと横に倒した感じだね。
この表記のときは分母(今回は箱)の前に「1」が隠されていると考えよう。
そうすると「(1つの)箱の中に10コあります」という意味になるね。
もう1つ例を出そう。
2[人/家]
これは「(1つの)家の中に2人います」ってことだ。
まあこんな感じで単位は数字に「意味付け」をしてるんだね。
では、ここで1つポイント。
単位を「数学で使ってる「文字」と同じ」と考えよう。
(数学の文字ってのはxとかyとかaとかbとかね)
次の問題を見てみてほしい。
なめてるのかって?笑
答えは?そう。当然、12bだね。
化学の単位の処理も、これと同じように行う。
3[コ/箱]×1[箱]
aとbが漢字になっただけと考えると…
3[コ/箱]×1[箱] って感じで「箱」が約分されて、
答えは3[コ]。
もう1つ。
2[枚/人]×4[人]
これも、2[枚/人]×4[人]のように約分され、
答えは8[枚]。
このように、化学の単位は本当にただの文字式と同じように扱えるんだ。
そう考えたらさ、いきなりナゾの単位が出てきてもなんにも怖くないよね。
2[mol/L]×3[L] って式があったら、(molがなんだか分からなくても)
2[mol/L]×3[L]って約分して、
答えは6[mol] ってすぐに出る。
この凄まじく単純なことに気づけるかどうかで、化学計算の捉え方がかなり変わってくる。
「いままで公式として覚えていたことは、ただの文字計算だった」ということになるんだ。
この考え方をベースにして、これから様々な化学計算の基礎・ポイントについて解説していく。