はじめに

イオンの大きさは、原子の大きさ〜クーロン力や周期表(族・周期)との関係まとめ〜で紹介した考え方を元に解説していく。原子の大きさについてまだあまり理解していないという人は、まず原子の大きさ〜クーロン力や周期表(族・周期)との関係まとめ〜を見てからこのページを読んでいこう。

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イオンの大きさ〜縦(族)で比較〜

まずは、同族(縦の列が同じ)のイオンの大きさを比べていく。

今回は例として、一族元素のリチウムイオンLi+とナトリウムイオンNa+を用いる。

リチウムイオンLi+とナトリウムイオンNa+の電子殻を比較すると、リチウムイオンLi+はK殻までなのに対し、ナトリウムイオンNa+はL殻まで存在する。従って、殻が一周多い分ナトリウムイオンNa+の方がリチウムイオンLi+よりも大きくなっている。

注意

ここまで聞いた段階で、このような疑問を感じる人がいると思う。

「確かに下に行くほど電子殻が増えて原子が大きくなっていってるんだけど、下に行くほど陽子の数も増えてくからより電子が内側に引きつけられて小さくもなるんじゃないの?」

しかしこれについては、次のように考えてほしい。

原子の大きさを変える要因としての優先順位が、「電子殻が増えること」の方が「陽子が増えること」に比べて高い

つまり、陽子が増えるのは電子殻が増えるのに比べたら大したことじゃないということだね。


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イオンの大きさ〜横(周期)で比較〜

次に、同周期(横の列が同じ)のイオンの大きさを比べてみよう。

まずは例としてマグネシウムイオンMg2+と塩化物イオンClを使って考えていく。

マグネシウムイオンMg2+と塩化物イオンClの電子配置は上図のようになる。マグネシウムイオンMg2+はネオン原子Neと、塩化物イオンClはアルゴン原子Arと電子配置が一緒になっている。見てわかるように、塩化物イオンの方が電子殻が一周多くなっているので大きさとしては塩化物イオンClの方が大きいということになる。

マグネシウム原子と塩素原子の大きさを比べると、同周期の中で原子番号が大きく陽子の数が多い塩素原子の方が小さくなるので注意しよう。(原子の大きさについて詳しくは原子の大きさ〜クーロン力や周期表(族・周期)との関係まとめ〜をみてね)

また、今は偶然電子殻の数が異なるイオンの比較だったが、同周期で電子殻の数が変わらない場合は「陽子の数」を軸に考えなければいけなくなる。

ナトリウムイオンNa+とマグネシウムイオンMg2+は電子配置は全く同じ、希ガスのネオンNeの電子配置である。
両者の陽子の数を比較すると、原子番号の1つ大きいマグネシウムの方が多い。従って、マグネシウムの方が電子をより内側に引きつけているのでイオンの大きさは小さくなる。

イオンの大きさまとめ

上の解説を読んでわかったと思うが、イオンの大きさは原子の大きさのように「族なら左より右の方が〜」とか「周期なら下に行くにしたがって〜」のような単純な規則性はない。従って、比較するイオンによって1つ1つ考える必要がある。
以下に考え方のステップをまとめておくのでぜひ覚えておこう。


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演習問題

問1

フッ化物イオンFと塩化物イオンClでよりイオンの大きさが大きいのはどちらか。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:塩化物イオンCl

フッ化物イオンFと塩化物イオンClの電子殻を見ると、塩化物イオンClの方が一周多くなっている。従って、イオンの大きさが大きいのは塩化物イオンClである。

問2

フッ化物イオンFとナトリウムイオンNa+でよりイオンの大きさが大きいのはどちらか。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:フッ化物イオンF

フッ化物イオンFとナトリウムイオンNa+の電子配置はともに希ガスであるネオン原子Neの電子配置と同じである。従って、陽子数で大きさを比較する必要がある。フッ素の陽子数とナトリウムの陽子数ではナトリウムの方が多いので、より電子を内側に引きつけるナトリウムイオンNa+の方がイオン半径(イオンの大きさ)が小さくなる。


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関連:原子の大きさ、の方が大事だよ。

イオンの大きさ同様、原子の大きさも入試頻出。むしろ原子の大きさはイオンの大きさを考える上で基礎となるものなので、この機会に合わせて学習しておこう。

  • 原子の大きさ〜クーロン力や周期表(族・周期)との関係まとめ〜
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