【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

金属元素は周期表上で左側に位置しているため、第一イオン化エネルギーが【1(大きor小さ)】く、【2(陽or陰)】イオンになりやすい。この、金属元素の「陽イオンへのなりやすさ」を【3】という。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】小さ【2】陽【3】イオン化傾向

単体の反応(酸化還元反応)でやったように金属の単体は電子を放出する還元剤として働く。

このとき、還元力の強さは金属ごとに異なっており、簡単に電子を放出する強い還元剤として働くものもあれば、なかなか電子を放出しない弱い還元剤として働くものもある。

ここで金属単体を還元力の強さの順番に並べるためにとある実験を行う。

ある金属Mの陽イオンM+が存在している水溶液に、別の金属Nの単体を加えるとする。
このとき、NがMよりも陽イオンになりやすければ、つまりNがMよりも還元力が強ければ、NがN+となって溶けていき、M+が電子を受け取ってMとなり、金属Mが析出する。

この実験を利用して様々な金属単体の還元力の強さを調べると次のような順になった。

Point!

ここで、金属単体が水溶液中で陽イオンになる性質をイオン化傾向といい、金属をイオン化傾向の順に並べたものをイオン化列という。
上で説明した内容を考慮すると、イオン化列は金属単体の還元力の強さの順番を表していると考えることができる。

※酸化・還元/酸化剤・還元剤などについて詳しくは以下のページを参照

※イオン化傾向について詳しくはイオン化傾向(覚え方・定義・金属板の反応のしやすさ)を参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

イオン化傾向は各金属元素によって異なり、金属元素をイオン化傾向の順に並べたものを【1】という。イオン化傾向は金属の【2(陽or陰)】イオンへのなりやすさを表すものなので、当然イオン化傾向が大きいほど、つまり【1】で左側にいくほどその金属は【2(陽or陰)】イオンになりやすいということになる。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】イオン化列【2】陽
Point!

※イオン化傾向について詳しくはイオン化傾向(覚え方・定義・金属板の反応のしやすさ)を参照

問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

常温の水と反応する金属は【1】・【2】・【3】である。

【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】K【2】Ca【3】Na(順不同)

Naよりイオン化傾向が大きい金属は常温の水と反応して水酸化物(今回はNaOH)と水素H2を生成する。

\[
\mathrm{ 2Na + 2H_{2}O → 2NaOH + H_{2}}
\]

※イオン化傾向について詳しくはイオン化傾向(覚え方・定義・金属板の反応のしやすさ)を参照

問4

【】に当てはまる用語を答えよ。

王水(【1】:【2】=1:3)としか反応しない金属は【3】・【4】である。

【問4】解答/解説:タップで表示
解答:【1】濃硝酸【2】塩酸【3】Pt【4】Au(【3】・【4】は順不同)

PtとAuを含めた全ての金属は王水に溶ける。
ちなみに、王水とは「濃硝酸と塩酸を1:3の割合で混合したもの」である。組成比まで正確に覚えておこう。

※イオン化傾向について詳しくはイオン化傾向(覚え方・定義・金属板の反応のしやすさ)を参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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