面心立方格子【高校化学・化学基礎一問一答】

目次

はじめに

【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答問題を公開しています。問題一覧は【スマホで出来る】一問一答(高校化学・化学基礎)でご覧下さい。


問1

次のように、立体の各頂点と各面の中心に同種の粒子が配列された結晶格子を【1】という。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】面心立方格子

次のように、立体の各頂点と各面の中心に同種の粒子が配列された結晶格子を面心立方格子という。

参考:面心立方格子(配位数・充填率・密度・格子定数・半径など)

問2

面心立方格子に含まれる原子の数は【1】個である。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】4

面心立方格子に含まれる原子の数を考える。

面心立方格子に含まれる原子のうち、格子の各“頂点”にあるものは原子を8分割した状態になっている。

8分割(1/8)したものが頂点の数分=8個あるため、頂点にある原子の数は合わせて1個である。

\[
\frac{ 1 }{ 8 }×8=1
\]

次に、面心立方格子の各“面”に存在する原子の数を数える。
格子の6面(横に4面上下に1面ずつ)にある原子は球体の原子を2分割したものになっている。

2分割(1/2)したものが各面の数分=6個あるため、面にある原子の数は合わせて3個である。

\[
\frac{ 1 }{ 2 }×6=3
\]

以上より、面心立方格子に含まれる原子の数は4個である。

\[
\underbrace{ 1 }_{ 頂点 }+\underbrace{ 3 }_{ 面 }=4
\]

参考:面心立方格子(配位数・充填率・密度・格子定数・半径など)

問3

面心立方格子の配位数は【1】である。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】12

面心立方格子を2個つなぎ合わせると、次のようになる。

中心の部分で、左側の単位格子に含まれる原子(1/2のもの)と右側の単位格子に含まれる原子(1/2のもの)が合わさって、1個の球状の原子が出来上がっている。

配位数とは「1個の原子を取り囲む他の粒子の数」のことなので、図から面心立方格子の配位数は12であることがわかる。

参考:結晶とは(単位格子・配位数・密度・充填率など)
参考:面心立方格子(配位数・充填率・密度・格子定数・半径など)

問4

面心立方格子の格子定数aと原子半径rの関係は次の通りである。
\[ \mathrm{r=\frac{ \sqrt{ 【1】 } }{ 4 }a} \]

解答/解説:タップで表示

解答:【1】2

単位格子の1辺の長さを格子定数という。

面心立方格子の側面だけをみると次のようになっている(原子半径をr、格子定数をaとする)。

ここで、三平方の定理を用いると次のような式を立てることができる。

\[
(4r)^{2}=a^{2}+a^{2}
\]

これを整理すると、面心立方格子の格子定数と原子半径の関係を導くことができる。

\[
\begin{align}
(4r)^{2}=2a^{2}\\
\leftrightarrow 4r=\sqrt{ 2 }a\\
\leftrightarrow r=\frac{ \sqrt{ 2 } }{ 4 }a
\end{align}
\]

参考:面心立方格子(配位数・充填率・密度・格子定数・半径など)

問5

面心立方格子の充填率は【1】%である。

解答/解説:タップで表示

解答:【1】74

単位格子の体積に占める原子の体積の割合を充填率という。

\[
充填率=\frac{ 原子の体積 }{ 単位格子の体積 }×100
\]

「面心立方格子に含まれる原子の数」にあるように、面心立方格子は単位格子中に4個の原子を含んでいるため、次のような式を立てることができる。

\[
\begin{align}
充填率&=\frac{ 原子の体積 }{ 単位格子の体積 }×100\\
&=\frac{ \frac{ 4 }{ 3 }πr^{3}×4 }{ a^{3} }×100\\
\end{align}
\]

単位格子の1辺の長さ(格子定数)はaのため、単位格子の体積は(縦×横×高さで)a3となる。

また、球の体積は4/3πr3と表すことができる(これは数学の知識)ため、面心立方格子に4個の原子が含まれることを考えると、原子の体積の合計は4/3πr3×4となる。これを解くと、充填率は74%となる。

\[
\begin{align}
充填率&=\frac{ 原子の体積 }{ 単位格子の体積 }×100\\
&=\frac{ \frac{ 4 }{ 3 }πr^{3}×4 }{ a^{3} }×100\\
&=\frac{ \frac{ 4 }{ 3 }π(\frac{ \sqrt{ 2 } }{ 4 }a)^{3}×4 }{ a^{3} }×100\\
&=\frac{ \sqrt{ 2 }π }{ 6 }×100\\
&=74(\%)
\end{align}
\]

参考:面心立方格子(配位数・充填率・密度・格子定数・半径など)

【高校化学の計算ドリル】大好評発売中!

高校化学・化学基礎の計算問題が苦手な人に向けた計算ドリルを発売しました。豊富な問題数で、入試頻出の計算問題の解き方を身につけることができます。

著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
気に入ったらシェアしてね!
目次