【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

銅は工業的に【1】の精製と【2】を行うことで作られる。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】粗銅【2】電解精錬

銅は、粗銅の精製と電解精錬を行うことによって工業的に作られる。

※粗銅の生成・電解精錬について詳しくは銅の工業的製法「粗銅の精製・電解精錬」(仕組み・陽極泥・反応式など)を参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

銅の生成では、まず原料となる【1】にコークスCと石灰石CaCO3を混ぜて溶鉱炉で加熱し【2】を得る。次に【2】に転炉で酸素O2を吹き込み加熱し【3】を得る。最後に【4】を行い純粋な銅が完成する。

【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】黄銅鉱(CuFeS2)【2】硫化銅(Ⅰ)Cu2S【3】粗銅【4】電解精錬
STEP1 原料となる黄銅鉱(CuFeS2)にコークス(C)と石灰石(CaCO3)を混ぜて溶鉱炉で加熱
→ 硫化銅(Ⅰ)Cu2Sが生成
STEP2 STEP1で得たCu2Sに転炉でO2を吹き込み加熱
→ 粗銅が生成
STEP3 電解精錬を行う
→ 純銅が生成
Point!

STEP1

原料となる黄銅鉱(CuFeS2)にコークスCと石灰石CaCO3を混ぜて溶鉱炉で加熱し、硫化銅(Ⅰ)Cu2Sを得る

まずは、原料となる黄銅鉱(CuFeS2コークスC石灰石CaCO3を混ぜて溶鉱炉で加熱する。

\[
4CuFeS_{2}+9O_{2}→2Cu_{2}S+2Fe_{2}O_{3}+6SO_{2}
\]

これにより硫化銅(Ⅰ)Cu2Sが生じる。

STEP2

STEP1で得たCu2Sに転炉でO2を吹き込み加熱し、粗銅を得る

次に、STEP1で得たCu2Sに転炉でO2を吹き込み加熱する。

\[
2Cu_{2}S + 3O_{2} → 2Cu_{2}O + 2SO_{2}・・・①\\
2Cu_{2}O + Cu_{2}S → 6Cu+SO_{2}・・・②
\]

①と②の反応式を足し合わせると…

\[
3Cu_{2}S + 3O_{2} → 6Cu + 3SO_{2}
\]

全係数を3で割って…

\[
Cu_{2}S + O_{2} → 2Cu + SO_{2}
\]

ここで精製した銅は粗銅と呼ばれる不純物を多く含んだ銅。
STEP3で電解精錬を行うことで不純物を取り除き、より純粋な銅にしていく。

STEP3

電解精錬を行い、純銅を得る

最後に、電解精錬を行い純銅を得る。

※粗銅の生成・電解精錬について詳しくは銅の工業的製法「粗銅の精製・電解精錬」(仕組み・陽極泥・反応式など)を参照

問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

電解精錬では、陽極に【1】を、陰極に【2】を用いる。

【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】粗銅【2】純銅

※粗銅の生成・電解精錬について詳しくは銅の工業的製法「粗銅の精製・電解精錬」(仕組み・陽極泥・反応式など)を参照

問4

【】に当てはまる用語を答えよ。

粗銅に含まれる「銅よりもイオン化傾向が【1(大きor小さ)】い金属」は金属板からはがれて【2】と呼ばれる沈殿を形成する。

【問4】解答/解説:タップで表示
解答:【1】小さ【2】陽極泥

※粗銅の生成・電解精錬について詳しくは銅の工業的製法「粗銅の精製・電解精錬」(仕組み・陽極泥・反応式など)を参照

問5

電解精錬の陰極、陽極の反応式を書け。
【問5】解答/解説:タップで表示
解答:以下参照

陽極の反応式

\[
Zn → Zn^{2+} + 2e^{-}\\
Fe → Fe^{2+} + 2e^{-}\\
Cu → Cu^{2+} + 2e^{-}\\
(AgやAuは陽極泥として沈殿)
\]

陰極の反応式

\[
Cu^{2+} + 2e^{-} → Cu
\]

※粗銅の生成・電解精錬について詳しくは銅の工業的製法「粗銅の精製・電解精錬」(仕組み・陽極泥・反応式など)を参照

関連:計算ドリル、作りました。

化学のグルメオリジナル計算問題集「理論化学ドリルシリーズ」を作成しました!

モル計算や濃度計算、反応速度計算など入試頻出の計算問題を一通りマスターできるシリーズとなっています。詳細は【公式】理論化学ドリルシリーズにて!


著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

著者紹介詳細