希ガスの電子配置が安定な理由

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『貴ガス(希ガス)の電子配置が安定な理由』について解説しています。


貴ガス(希ガス)とは

  • 周期表の18族に位置する元素を貴ガス(希ガス)という。

希ガスは次のゴロで覚えましょう。
変なねーちゃんがある暗闇でキスを連発
変な(He)ねーちゃん(Ne)がある(Ar)暗闇(Kr)でキス(Xe)を連発(Rn)

参考:周期表(覚え方・語呂合わせ・族や周期の見方など)


希ガスの電子配置

  • 希ガスは非常に安定しており、反応を起こしにくい。これは、希ガスの特徴的な電子配置に起因する。
  • 希ガスの電子配置について、元素ごとに解説する。

参考:電子配置(書き方・例題・電子を並べる順番やルール・覚え方など)

ヘリウムHeの電子配置

  • ヘリウムHeの電子配置は次の通りである。
  • Heの最外殻はK殻であり、そこに2個の電子が入っている。
  • K殻の最大収容電子数(←表現確認)は2個なので、K殻にはこれ以上電子を入れることができない。このような状態を閉殻という。
  • 閉殻状態だと、電子の出し入れが行われにくく、安定性が非常に高い。
  • したがって、Heは安定性が高く、反応を起こしにくい。

ネオンNeの電子配置

  • ネオンNeの電子配置は次の通りである。
  • Neの最外殻はL殻であり、そこに8個の電子が入っている。
  • L殻の最大収容電子数は8個なので、L殻にはこれ以上電子を入れることができない(閉殻)。
  • 閉殻状態は安定性が高いため、Neは反応を起こしにくい。

アルゴンAr・クリプトン Kr・キセノンXe・ラドンRnの電子配置

  • アルゴンArの電子配置は次の通りである。
  • Arの最外殻はM殻であり、そこに8個の電子が入っている。
  • M殻の最大収容電子数は18個であり、閉殻ではない。
  • しかし、最外殻に存在する電子(最外殻電子)が8個の状態はオクテットとよばれ、閉殻同様、安定性が非常に高い。
  • したがって、Arは閉殻ではないが、安定性が高く、反応を起こしにくい。
  • クリプトンKr・キセノンXe・ラドンRnも、Ar同様、オクテットで安定である。

貴ガス(希ガス)の電子配置まとめ

この『貴ガス(希ガス)の電子配置が安定な理由』のページで解説した内容をまとめる。

  • 周期表の18族に位置する元素を貴ガス(希ガス)という。
  • ヘリウムHe・ネオンNeは最外殻が閉殻であり、非常に安定しているため、反応性が低い。
  • アルゴンAr・クリプトン Kr・キセノンXe・ラドンRnは最外殻がオクテットであり、非常に安定しているため、ヘリウムHe・ネオンNe同様、反応性が低い。

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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