【プロ講師解説】このページでは『縮合重合・開環重合(ポリエステル・ポリアミド・ナイロンなど)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
縮合重合とは
単量体の間で小さな分子(H2Oなど)が取れて繋がっていく反応を縮合重合という。
縮合重合により生成する合成繊維のうち、エステル結合で単量体を繋いでできたものをポリエステル、アミド結合で単量体を繋いでできたものをポリアミド(ナイロン)という。
ポリエステル
ポリエチレンテレフタラート(PET)は親水基が縮合に使われて親水性が残っておらず、吸湿性をもたない。
したがって、速乾性(早く乾く性質)をもつ。またシワにもなりにくい。
さらに、構造にベンゼン環が含まれているので、強度が高くペットボトルや合成繊維に利用されている。
ポリアミド(ナイロン)
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮合重合によって得られる合成繊維をナイロン66という。
ナイロン66はアメリカのカローザスにより世界で初めて合成された。
また、1941年には日本でナイロン6が発明された。
ε-カプロラクタムという環状アミドを単量体とし、開環した後にそれを繋いで合成する。
このような方法を開環重合という。
ナイロンは、分子間に多数の水素結合を形成するため、強度の高い合成繊維である。
したがって、雨風を避けるためのウィンドブレーカーなどとして用いられる。
PLUS+
芳香族のポリアミド系合成繊維をアラミド繊維という。
ナイロンと比較して強度に優れており、防弾チョッキなどに利用されている。
ナイロンと比較して強度に優れており、防弾チョッキなどに利用されている。
演習問題
問1
【】に当てはまる用語を答えよ。
単量体の間でH2Oなどの小さな分子が取れて繋がっていく反応を【1】という。
単量体の間でH2Oなどの小さな分子が取れて繋がっていく反応を【1】という。
問2
【】に当てはまる用語を答えよ。
縮合重合により生成する合成繊維のうち、エステル結合で単量体を繋いでできたものを【1】、アミド結合で単量体を繋いでできたものを【2】という。
縮合重合により生成する合成繊維のうち、エステル結合で単量体を繋いでできたものを【1】、アミド結合で単量体を繋いでできたものを【2】という。
問3
【】に当てはまる用語を答えよ。
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮合重合によって得られる合成繊維を【1】という。
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮合重合によって得られる合成繊維を【1】という。
問4
【】に当てはまる用語を答えよ。
1941年に日本で発明されたポリアミドを【1】という。
【1】はε-カプロラクタムという環状アミドを単量体とし、開環した後にそれを繋いで合成するが、このような方法を【2】という。
1941年に日本で発明されたポリアミドを【1】という。
【1】はε-カプロラクタムという環状アミドを単量体とし、開環した後にそれを繋いで合成するが、このような方法を【2】という。
問5
【】に当てはまる用語を答えよ。
芳香族のポリアミド系合成繊維を【1】という。
【1】はナイロンと比較して強度が【2(高or低)】い。
芳香族のポリアミド系合成繊維を【1】という。
【1】はナイロンと比較して強度が【2(高or低)】い。
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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