【プロ講師解説】このページでは『濃度(質量パーセント濃度・モル濃度・質量モル濃度)計算の公式・解き方』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
溶質・溶媒・溶液
まずは、濃度を学ぶ基礎となる「溶質」・「溶媒」・「溶液」の違いを押さえよう。
物質が溶けて均一な溶液になることを溶解という。
溶質は「溶けている物質」、溶媒は「溶質を溶かしている液体」、溶液は「溶媒と溶質を合わせたもの」を指す。
上の図でいうと、黄色いマルが溶質、青いところが溶媒、黄色いマルと青いところを合わせて溶液という感じ。
ちなみに食塩水の場合、食塩が溶質、水が溶媒、食塩水全体が溶液となる。
3種の濃度
高校化学で覚えるべき濃度は3種類。1つ1つ順番に見ていこう。
モル濃度
モル濃度とは、溶液1[L]に含まれる溶質のmolである。単位は(mol/L)
\[
\mathtt{ モル濃度(mol/L) = \frac{ 溶質(mol) }{ 溶液(L) } }
\]
\mathtt{ モル濃度(mol/L) = \frac{ 溶質(mol) }{ 溶液(L) } }
\]
質量モル濃度
質量モル濃度とは、溶媒1kgに含まれる溶質のmolである。単位は(mol/kg)
\[
\mathtt{ 質量モル濃度(mol/kg) = \frac{ 溶質(mol) }{ 溶媒(kg) } }
\]
\mathtt{ 質量モル濃度(mol/kg) = \frac{ 溶質(mol) }{ 溶媒(kg) } }
\]
質量パーセント濃度
質量パーセント濃度とは、「溶液に含まれる溶質の割合を%で表したもの」である。
\[
\mathtt{ 質量パーセント濃度(\%) = \frac{ 溶質(g) }{ 溶液(g) } \times 100 }
\]
\mathtt{ 質量パーセント濃度(\%) = \frac{ 溶質(g) }{ 溶液(g) } \times 100 }
\]
演習問題
問1
【】に当てはまる用語を答えよ。
【1】は溶けている物質、【2】は【1】を溶かしている液体、【1】と【2】を合わせて【3】という。
問2
【】に当てはまる用語を答えよ。
溶液1Lに含まれる溶質のmolを【1】といい、単位は【2】である。
問3
【】に当てはまる用語を答えよ。
溶媒1kgに含まれる溶質のmolを【1】といい、単位は【2】である。
問4
【】に当てはまる用語を答えよ。
溶液に含まれる溶質の割合を表した濃度を【1】といい、単位は【2】である。
問5
1.0molの水酸化ナトリウム(NaOH)を水に溶かして全体で2.0Lにしたときのモル濃度(mol/L)を求めよ。
問6
2.0molの水酸化ナトリウム(NaOH)を4.0kgの水に溶かしたときの質量モル濃度を求めよ。
問7
8.0gの水酸化ナトリウムを水に溶かして40gにしたときの質量パーセント濃度を求めよ。
問8
365gの塩化水素(HCl)を200gの水に溶かしたときの質量モル濃度を求めよ。
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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