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メタノールとエタノールの混合物の燃焼に関する問題の解き方
はじめに
【プロ講師解説】このページでは『メタノールとエタノールの混合物の燃焼に関する問題の解き方』について解説しています。
メタノールとエタノールの混合物の燃焼
メタノールとエタノールの混合物を完全燃焼させたところ、二酸化炭素2.64gと水(液体)1.98gを得た。この時必要な酸素の体積は標準状態で何Lか。原子量はH=1.0,C=12,O=16とする。
『愛知工大 2009年 参考』
- この問題は次の4STEPにしたがって解いていく。
●STEP1
メタノールとエタノールが酸素と反応する際の反応式をそれぞれ書く。
●STEP2
メタノールとエタノールのmol数をそれぞれx , yとおき、他の物質のmol数をxとyで表す。
●STEP3
二酸化炭素と水のmolに注目してxとyに関する方程式を2個つくり、それを解いてxとyの値を求める。
●STEP4
STEP3で求めたxとyの値から酸素のmol、及び体積を求める。
混合物を燃焼させる問題では、まず混合物に含まれる各物質(今回だとメタノールとエタノール)が酸素と反応した反応式をそれぞれについて書く。
\[ \begin{align}&【メタノール】\\
&\mathrm{2CH_{ 3 }OH + 3O_{ 2 } → 2CO_{ 2 } + 4H_{ 2 }O} \\
&【エタノール】\\
&\mathrm{C_{ 2 }H_{ 5 }OH + 3O_{ 2 } → 2CO_{ 2 } + 3H_{ 2 }O} \end{align}\]
次に、メタノールとエタノールのmol数をそれぞれx,yと置き、(化学反応式の係数比がmol比になることを利用して)他の物質のmol数もxとyで表す。
\[\begin{align} &\mathrm{\underbrace{2CH_{ 3 }OH}
_{\text{ -x}} +
\underbrace{3O_{ 2 }}
_{- \frac{ 3 }{ 2 } \text{ x}} \longrightarrow
\underbrace{2CO_{ 2 }}
_{ \text{ +x}} +
\underbrace{4H_{ 2 }O}
_{ \text{ +2x}} }\\
&\mathrm{\underbrace{C_{ 2 }H_{ 5 }OH}
_{\text{ -y}} +
\underbrace{3O_{ 2 }}
_{ \text{ -3y}} \longrightarrow
\underbrace{2CO_{ 2 }}
_{ \text{ +2y}} +
\underbrace{3H_{ 2 }O}
_{ \text{ +3y}}}\end{align} \]
メタノールのmol数をxと表すと、係数比から酸素のmolは3/2x、二酸化炭素のmolはx、水のmolは2xと表すことができる。
エタノールのmol数をyと表すと、係数比から酸素のmolは3y、二酸化炭素のmolは2y、水のmolは3yと表すことができる。
次に、二酸化炭素と水のmolに注目し、xとyに関する方程式を2個つくり、それを解いてxとyの値を求めていく。
\[ \begin{align}&\text{ 【二酸化炭素】} \\
&x + 2y = \mathrm{\frac{ 2.64(g) }{ 44(g/mol) } }\\
&\text{ 【水】} \\
&2x + 3y = \mathrm{\frac{ 1.98(g) }{ 18(g/mol) } }\end{align}\]
式の左側はSTEP2で導き出した二酸化炭素と水をxとyで表したものを使って、右側は問題文に書かれているgと分子量g/molを使って、二酸化炭素と水のmol数を表している。
これらを連立させて解くと、次のようになる。
\[\begin{align} &x=0.04\\
&y=0.01\end{align} \]
最後に、STEP3で求めたxとyの値から酸素のmol、及び体積を求めていく。
STEP2で導き出した、酸素をxで表したものと酸素をyで表したものを足しあわせると次のような式が完成する。
\[ \frac{ 3 }{ 2 }x + 3y \]
この式にSTEP3で求めたxとyの値を代入すると…
\[ \frac{ 3 }{ 2 }x + 3y = 0.06 + 0.03 = 0.9 \]
0.09というのがメタノールとエタノールの燃焼に使われた酸素のmolの合計値なので、これに標準状態の気体の体積である22.4(L/mol)をかけてあげると…
\[\mathrm{ 0.09(mol) × 22.4(L/mol) = 2.016(L) }\]
答えは、2.0(L)である。