【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

ケイ素の単体は天然には存在しないため、【1】(主成分:SiO2)をコークスとともに加熱することにより粗製のケイ素(不純物を含むケイ素)を作り、それを精製することで純度の高いケイ素の単体を得る。

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解答:【1】ケイ砂

ケイ素の単体は天然には存在しないため、ケイ砂(主成分:SiO2)をコークスとともに加熱することにより粗製のケイ素(不純物を含むケイ素)を作り、それを精製することで純度の高いケイ素の単体を得る。

\[
SiO_{2} + 2C → Si + 2CO
\]

※ケイ素について詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

ケイ素の単体は、繰り返し構造をした【1】であり、【2】で表される。

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解答:【1】共有結合結晶【2】組成式

ケイ素の単体は、繰り返し構造をした共有結合結晶(高分子)であり、組成式で表される。
高校化学において共有結合結晶の形をとる重要な物質は『Si/SiO2/SiC/C』の4つなので、ケイ素を含め全て覚えておくようにしよう。

※共有結合結晶について詳しくは共有結合結晶(例・特徴・性質・組成式・融点・電気伝導性など)を参照
※ケイ素について詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

ケイ素の単体は、非金属であるが【1】光沢があり、電気伝導性をもつため高純度なものは【2】として用いられる。

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解答:【1】金属【2】半導体

ケイ素の単体は、非金属だが金属光沢をもっており、電気伝導性もある程度はもつため、高純度なものは半導体として用いられる。

※ケイ素について詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

問4

【】に当てはまる用語を答えよ。

二酸化ケイ素SiO2は単体と同様、繰り返し構造をした【1】として存在し、高分子であるため【2】で表される。

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解答:【1】共有結合結晶【2】組成式

二酸化ケイ素は単体と同様、繰り返し構造をした共有結合結晶として存在し、高分子であるため組成式で表される。

※共有結合結晶について詳しくは共有結合結晶(例・特徴・性質・組成式・融点・電気伝導性など)を参照
※二酸化ケイ素について詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

問5

【】に当てはまる用語を答えよ。

二酸化ケイ素SiO2は主に【1】として岩石中に存在している。【1】の中でより大きく透明な結晶を【2】、砂状になったものを【3】という。

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解答:【1】石英【2】水晶【3】ケイ砂

二酸化ケイ素は主に石英として岩石中に存在している。
また、より大きく透明な結晶を水晶、砂状になったものをケイ砂という。

※二酸化ケイ素について詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

問6

【】に当てはまる用語を答えよ。

二酸化ケイ素SiO2は【1(酸or塩基)】性酸化物であり【2(酸or塩基)】と中和反応する。

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解答:【1】酸【2】塩基

二酸化ケイ素は非金属の酸化物なので、酸性酸化物であり、塩基と反応する場合がある。

\[
SiO_{2} + 2NaOH → Na_{2}SiO_{3} + H_{2}O
\]

※酸化物の反応について詳しくは酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物(違い・見分け方・一覧・反応など)を参照
※二酸化ケイ素について詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

問7

【】に当てはまる用語を答えよ。

二酸化ケイ素SiO2を高温で加熱し融解させた後、冷やして作られたガラスを【1】という。

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解答:【1】石英ガラス

二酸化ケイ素を高温で加熱し融解させた後冷やして作られたガラスを、石英ガラスという。

石英ガラスは、フッ化水素と次のように反応し、溶解する。

\[
SiO_{2} + 6HF → H_{2}SiF_{6} + 2H_{2}O
\]

※二酸化ケイ素について詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

問8

【】に当てはまる用語を答えよ。

二酸化ケイ素SiO2に炭酸ナトリウムNa2CO3を加えて加熱することで【1】が得られる。

【問8】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ケイ酸ナトリウムNa2SiO3

ケイ酸ナトリウムは、二酸化ケイ素SiO2に炭酸ナトリウムNa2CO3を加えて加熱することで得られる。(中和反応)

\[
SiO_{2} + Na_{2}CO_{3} → Na_{2}SiO_{3} + CO_{2}
\]

※ケイ酸ナトリウムについて詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

問9

【】に当てはまる用語を答えよ。

ケイ酸ナトリウムに水を加えて加熱することで加水分解し、粘性をもつ【1】になる。

【問9】解答/解説:タップで表示
解答:【1】水ガラス
Point!

ケイ酸ナトリウムに水を加えて加熱することで加水分解し、粘性をもつ水ガラスになる。

※ケイ酸ナトリウムについて詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

問10

【】に当てはまる用語を答えよ。

ガラスの水溶液に塩酸HClを反応させると【1】になる。【1】の沈殿は【2】色のゲル状である。

【問10】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ケイ酸H2SiO3【2】白

ケイ酸は、上で出てきた”水ガラス”の水溶液に塩酸HClを反応させることで得られる。

\[
Na_{2}SiO_{3} + 2HCl → 2NaCl + H_{2}SiO_{3}
\]

Na2SiO3は弱酸を含む塩、HClは強酸なので、この反応は”弱酸遊離反応”の一種と考えることができる。

※弱酸遊離反応について詳しくは【弱酸・弱塩基遊離反応】原理や公式、反応式の作り方などを参照

また、H2SiO3の沈殿は白色のゲル状であるということも押さえておこう。

※ケイ酸について詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

問11

【】に当てはまる用語を答えよ。

ケイ酸を加熱し脱水したものを【1】という。【1】はケイ酸に比べて空洞が多くなっており、気体を吸着しやすい。したがって、【2】や【3】として用いられる。

【問11】解答/解説:タップで表示
解答:【1】シリカゲルSiO2・nH2O【2】乾燥剤【3】吸着剤(【2】・【3】は順不同)

ケイ酸を加熱し脱水したものをシリカゲルSiO2・nH2Oという。

シリカゲルはケイ酸に比べて空洞が多くなっており、気体を吸着しやすい。
したがって、乾燥剤や吸着剤として用いられる。

※高校化学で頻出の乾燥剤については【乾燥剤】酸性・中性・塩基性の乾燥剤一覧や分類・仕組みなどを参照
※シリカゲル・ケイ酸について詳しくはケイ素の単体と化合物の性質・製法を参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

著者紹介詳細