【プロ講師解説】このページでは『混合気体の密度から物質量の比を求める問題の解き方』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。
混合気体の密度から物質量の比を求める問題の解き方
問題
二酸化炭素と酸素の混合気体がある。混合気体の密度は標準状態で1.70g/Lであった。混合気体の二酸化炭素と酸素の物質量の比は次のうちどれか。ただし、標準状態の気体1molの占める体積は22.4L、原子量はC=12,O=16とする。
『明治薬科大学 2015年 参考』
この手の問題は、次の2STEPを使って解いていく。
STEP1 | 密度(g/L)に対して22.4(L/mol)を掛ける |
STEP2 | 片方の分子の存在比をxとおき、STEP1で求めた値と各分子の分子量を使って物質量比を求める |
Point!
STEP1
密度(g/L)に22.4(L/mol)をかける
まずは、問題文で与えられている密度(g/L)に標準状態の気体の体積である22.4(L/mol)をかけることで「混合気体の見かけ上の分子量」を求める。
\[
1.70(g/L) × 22.4(L/mol) = 38.08(g/mol)
\]
1.70(g/L) × 22.4(L/mol) = 38.08(g/mol)
\]
STEP2
片方の分子の存在比をxとし、STEP1で求めた値と各分子の分子量を使って物質量比を求める
次に、片方の分子(今回はCO2)の存在比をxとし、STEP1で求めた混合気体の見かけ上の分子量と各分子の分子量を使って物質量比を求める。
\[
44(g/mol) × x + 32(g/mol) × (1-x) = 38.08(g/mol)
\]
44(g/mol) × x + 32(g/mol) × (1-x) = 38.08(g/mol)
\]
CO2の分子量44(g/mol)に混合気体中でのCO2の存在比xを掛けたものと
これを解くと、x=0.5066…となる。
この時、混合気体中のCO2とO2の物質量の比は…
\[
x:(1-x)\\
=0.5066:(1-0.5066)\\
=0.5066:0.4944\\
≒1:1
\]
x:(1-x)\\
=0.5066:(1-0.5066)\\
=0.5066:0.4944\\
≒1:1
\]
答えは1:1である。
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著者プロフィール
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
著者紹介詳細
・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター
数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
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