【プロ講師解説】このページでは『混合物の分離法の1つであるクロマトグラフィー』について解説しています。ろ過蒸留・分留再結晶抽出昇華法など一緒にしっかり頭に入れておきましょう。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。

クロマトグラフィーとは

クロマトグラフィーとはろ紙に対する吸着力の違いを利用して、色素などの混合物を各成分に分離する操作である。

クロマトグラフィーの操作手順

STEP1 細く切ったろ紙の一端に試料を付着させる
STEP2 そのろ紙をアルコールなどの展開液に浸す
STEP3 時間の経過とともに色素を溶かした展開液がろ紙を上昇し、各色素が異なる位置に分離される
Point!

STEP1

細く切ったろ紙の一端に試料を付着させる

まずは、細く切ったろ紙の一端に試料を付着させる。

STEP2

そのろ紙をアルコールなどの展開液に浸す

次に、そのろ紙をアルコールなどの展開液に浸す。

STEP3

時間の経過とともに色素を溶かした展開液がろ紙を上昇し各色素が異なる位置に分離される

ろ紙を展開液に浸した状態で放置しておくと、時間の経過とともに色素を溶かした展開液がろ紙を上昇し各色素が異なる位置に分離される。

ろ紙への吸着力が弱い色素は移動速度が速く上側に分離され、吸着力が強い色素は移動速度が遅く下方に分離される。

その他のクロマトグラフィー

薄層プレートを使う
→ 薄層クロマトグラフィー
カラムを使う
→ カラムクロマトグラフィー
Point!

上で見てきたろ紙を使ったクロマトグラフィーは(紙なので)「ペーパークロマトグラフィー」と呼ばれる。
クロマトグラフィーはろ紙以外のものを使って行う場合がある。

薄層クロマトグラフィー

ろ紙の代わりにガラス板とシリカゲル等の吸着剤を用いる方法を薄層クロマトグラフィーという。

カラムクロマトグラフィー

シリカゲルなどの吸着剤をガラス管に詰め、その上部から試料溶液及び展開液を流すと試料溶液中の各成分が吸着・分離される。
このような方法をカラムクロマトグラフィーという。

まとめ

最後に、この『【分離法】クロマトグラフィー(仕組み・操作手順・種類・図など)』のページで解説した内容をまとめておこう。

  • クロマトグラフィーとはろ紙に対する吸着力の違いを利用して、色素などの混合物を各成分に分離する操作である
  • クロマトグラフィーにはろ紙を使ったペーパークロマトグラフィー、ガラス板とシリカゲル等の吸着剤を使った薄層クロマトグラフィー、シリカゲルなどの吸着剤をガラス管に詰め、その上部から試料溶液及び展開液を流すカラムクロマトグラフィーなどがある

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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