【プロ講師解説】化学のグルメでは、高校化学・化学基礎の一問一答を掲載しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。一問一答コンテンツ一覧は化学のグルメ『高校化学・化学基礎一問一答コンテンツ一覧』をご覧下さい。

一問一答

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

アルデヒド基-CHOをもつ化合物を【1】という。

【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】アルデヒド

アルデヒドとはアルデヒド基(-CHO)をもつ化合物である。

※アルデヒドについて詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

示性式 慣用名
H-CHO 【1】
CH3-CHO 【2】
CH3-CH2-CHO 【3】
【問2】解答/解説:タップで表示
解答:以下参照
示性式 慣用名
H-CHO ホルムアルデヒド
CH3-CHO アセトアルデヒド
CH3-CH2-CHO プロピオンアルデヒド

※アルデヒドについて詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問3

【】に当てはまる用語を答えよ。

アルデヒドは第【1】級アルコールの酸化により得ることができる。

【問3】解答/解説:タップで表示
解答:【1】1
Point!

アルコール・エーテル(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)でやったように、アルデヒドは第1級アルコールの酸化により得ることができる。

例として「エタノールの酸化によるアセトアルデヒドの生成反応」を確認しておこう。

※アルデヒドの製法について詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問4

【】に当てはまる用語を答えよ。

ホルムアルデヒドは水に溶けると【1】となる。

【問4】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ホルマリン

アルデヒドは炭化水素部分が小されけば水に溶ける。

\[
ホルムアルデヒド(HCHO)→ ホルマリン
\]

特に30%~40%程度のホルムアルデヒド水溶液はホルマリンと呼ばれ、防腐剤などとして用いられる。(解剖前のご遺体を保存しておくやつ)

※アルデヒドについて詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問5

【】に当てはまる用語を答えよ。

アルデヒドはフェーリング液(Cu2+を含む)を還元し、酸化銅(Ⅰ)Cu2Oの赤色沈殿が生成する。この反応を【1】という。

【問5】解答/解説:タップで表示
解答:【1】フェーリング反応

フェーリング液には銅(Ⅱ)イオンCu2+が含まれている。
ここにアルデヒドを加えて加熱すると、アルデヒドの還元性によりCu2+は還元され、酸化銅(Ⅰ)Cu2Oの沈殿が生成する。(酸化銅(Ⅰ)中の銅イオンの酸化数は+1(Cu+)なので酸化数が減っている=還元されている)

この反応をフェーリング反応という。

また、アルデヒド自身は反対に酸化されカルボン酸となっているということも押さえておこう。

※フェーリング反応・銀鏡反応について詳しくは銀鏡反応とフェーリング反応(原理・反応式・沈殿・色変化など)を参照
※カルボン酸について詳しくはカルボン酸・エステル(一覧・構造・命名法・製法・反応・性質など)を参照
※酸化数について詳しくは酸化数(求め方・ルール・例外・例題・一覧・演習問題)を参照
※アルデヒドについて詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問6

【】に当てはまる用語を答えよ。

アルデヒドはアンモニア性硝酸銀水溶液([Ag(NH3)2+を含む)を還元し単体の銀Agが析出する。この反応を【1】という。

【問6】解答/解説:タップで表示
解答:【1】銀鏡反応

アンモニア性硝酸銀水溶液には錯イオン[Ag(NH3)2]+が存在する。
ここにアルデヒドを加えて加熱するとアルデヒドによって銀イオンが還元され、単体の銀Agが生成する。(銀の単体の酸化数は0なので銀イオンの酸化数+1から還元されている)

生成した銀は金属特有の光沢を示すため試験管の中は鏡のような状態になり、これが反応名”銀鏡反応”の由来になっている。
また、フェーリング反応と同様にアルデヒド自身は酸化されてカルボン酸になるということも押さえておこう。

※フェーリング反応・銀鏡反応について詳しくは銀鏡反応とフェーリング反応(原理・反応式・沈殿・色変化など)を参照
※錯イオンについて詳しくは【錯イオン】色・配位数・形・価数・命名法を総まとめを参照
※カルボン酸について詳しくはカルボン酸・エステル(一覧・構造・命名法・製法・反応・性質など)を参照
※酸化数について詳しくは酸化数(求め方・ルール・例外・例題・一覧・演習問題)を参照
※アルデヒドについて詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問7

【】に当てはまる用語を答えよ。

ケトン基(R-CO-R‘)をもつ化合物を【1】という。

【問7】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ケトン

ケトンとは、ケトン基(R-CO-R)をもつ化合物である。

アルデヒドとケトンはともにC=Oの結合をもつ化合物であり、これらを一括りにしてカルボニル化合物と呼ぶこともある。

※ケトンについて詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問8

【】に当てはまる用語を答えよ。

ケトンは第【1】級アルコールの酸化により得ることができる。

【問8】解答/解説:タップで表示
解答:【1】2
Point!

アルコール・エーテル(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)にあるように、第2級アルコールを酸化することでケトンが生成する。

※ケトンの製法について詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問9

【】に当てはまる用語を答えよ。

アルケンを酸化すると【1】分子のケトンが生成する。

【問9】解答/解説:タップで表示
解答:【1】2

アルケンを酸化すると2つのケトンが生成する。

※ケトンの製法について詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問10

【】に当てはまる用語を答えよ。

クメン法はフェノールの製法として知られているが、フェノールと同時にケトンの一種である【1】が生成する。

【問10】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ジメチルケトン(=アセトン)

クメン法はフェノールの製法として知られているが、フェノールと同時にケトンの一種であるジメチルケトン(=アセトン)が生成する。

※クメン法について詳しくはフェノール類(名称・製法・性質・反応など)を参照
※ケトンの製法について詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問11

【】に当てはまる用語を答えよ。

アセトンの実験室的製法として【1】の乾留がある。

【問11】解答/解説:タップで表示
解答:【1】酢酸カルシウム

アセトンの実験室的製法として酢酸カルシウムの乾留が知られている。

※ケトンの製法について詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問12

【】に当てはまる用語を答えよ。

ケトンは【1(酸化or還元)】性がなく、フェーリング反応や銀鏡反応を示さない。

【問12】解答/解説:タップで表示
解答:【1】還元

ケトンは還元性がなくフェーリング反応や銀鏡反応を起こさない。

したがって、還元性を示すアルデヒドと区別が可能である。

※ケトンの反応について詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

問13

【】に当てはまる用語を答えよ。

上のような構造をもつアルコールやケトンにヨウ素I2と水酸化ナトリウムNaOH水溶液を加えて温めると特有の臭いをもつ【1】という黄色沈殿が得られる。この反応を【2】という。

【問13】解答/解説:タップで表示
解答:【1】ヨードホルムCHI3【2】ヨードホルム反応

上のような構造を持つアルコールやケトンにヨウ素I2と水酸化ナトリウムNaOH水溶液を加えて温めると特有の臭いをもつ「ヨードホルムCHI3という黄色沈殿が得られる。
この反応をヨードホルム反応と呼ぶ。

ちなみに、ヨードホルム反応において、反応する部分構造に隣接する原子はCかHでなければならない。

例えば、隣がOである酢酸はヨードホルム反応を起こさない。

※ヨードホルム反応について詳しくはアルデヒド・ケトン(一覧・違い・命名法・製法・反応・性質など)を参照

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

著者紹介詳細