【プロ講師解説】このページでは『比熱(求め方・単位・計算問題の解き方など)』について解説しています。解説は高校化学・化学基礎を扱うウェブメディア『化学のグルメ』を通じて6年間大学受験に携わるプロの化学講師が執筆します。

比熱とは

比熱とは、ある物質を1gあたり1K温度を上げるために必要な熱量である。

水の比熱は約4.2(J/(g・K))である。

※K(ケルビン)について詳しくはセルシウス温度と絶対温度(求め方・違い・変換する計算問題など)を参照

比熱を使った計算の解き方

熱量(J)
= 比熱(J/(g・K))× 物質の質量(g)×温度変化(K)
Point!

比熱を使った計算は、与えられた値を上の式に代入するだけで解くことができる。例題を用いて説明していこう。

問題

25℃の水500gを45℃に上昇させるために必要な熱量は何kJか。また、45℃になった水に8.4kJの熱量を加えたら、水温は何℃まで上昇するか。ただし、水の比熱を4.2J/(g・K)とする。)

まず、1文目の方。
先ほど紹介した文に、与えられた値を全て代入すると…

\[
\begin{align} 熱量&=4.2×10^{-3}(kJ/(g・K))×500(g)×(45-25)(K) \\
&=42(kJ) \end{align}
\]

次に、後ろの文。
何℃まで上昇するかを求めるので、温度変化の後の温度をtと置き計算する。

\[
4.2×10^{-3}(kJ/(g・K))×500(g)×(t-45)(K)=8.4(kJ) \\
\leftrightarrow t=49(℃)
\]

比熱に関する演習問題

問1

【】に当てはまる用語を答えよ。

物質を加熱したときに物質が受け取るエネルギーを熱エネルギーといい、その量を【1】という。
物質1gの温度を1K(℃)上げるのに必要な【1】を【2】という。
【問1】解答/解説:タップで表示
解答:【1】熱量【2】比熱

比熱とは、ある物質を1gあたり1K温度を上げるために必要な熱量である。

水の比熱は約4.2(J/(g・K))である。

※K(ケルビン)について詳しくはセルシウス温度と絶対温度(求め方・違い・変換する計算問題など)を参照

問2

【】に当てはまる用語を答えよ。

比熱が【1(大きor小さ)】いほど、温まりにくく冷めにくい。
【問2】解答/解説:タップで表示
解答:【1】大き

比熱が大きいほど、温まりにくく冷めにくい。

問3

水の比熱を4.2(J/(g・K))とし、以下の問いに答えなさい。

(1)25℃の水100gを35℃に上昇させるために必要な熱量は何Jか。
(2)10℃の水200gに8.4kJの熱量を加えたら、水温は何℃になるか。

【問3】解答/解説:タップで表示
解答:(1)4200(J)(2)20(℃)

比熱を使う計算は、与えられた値を次の式に代入することで求めることができる。

熱量(J)
= 比熱(J/(g・K))× 物質の質量(g)×温度変化(K)
Point!

(1)

上の式に全ての値を代入すると…

\[
\begin{align} 熱量&=4.2(J/(g・K))×100(g)×(35-25)(K) \\
&=4200(J) \end{align}
\]

(2)

上の式に全ての値を代入すると…

\[
4.2×10^{-3}(kJ/(g・K))×200(g)×(t-10)(K)=8.4(kJ) \\
\leftrightarrow t=20(℃)
\]

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著者プロフィール

・化学のグルメ運営代表
・高校化学講師
・薬剤師
・デザイナー/イラストレーター

数百名の個別指導経験あり(過去生徒合格実績:東京大・京都大・東工大・東北大・筑波大・千葉大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆

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